頭が真っ白になるときの対処法
頭が真っ白になるときの対処法

なぜ、「頭が真っ白になる」のか?
あがり症の症状の一つに、「頭が真っ白になる」というのがあります。たとえば、しっかり覚えたはずの楽譜やスピーチ原稿をキレイにど忘れします。
あがり症になる人は大抵真面目な努力家ですから、本番の1週間前から毎日毎日、楽譜やスピーチ原稿を声に出して読み込んだり、暗記したりしてしっかり頭に叩き込もうとするはずです。
それなのに、いざ当日になってマイクを前にすると、頭が真っ白になって思い出そうとしても思い出せない。
「あんなに、頑張って暗記したはずなのに」と、焦れば焦るほど頭が真っ白になって1ミリも思い出せなくなります。
そして、しどろもどろになってみじめに退散・・・という結果に。
なぜ、毎日毎日散々暗記して、しっかり覚えたはずの楽譜やスピーチ原稿をキレイにど忘れして頭が真っ白になってしまうのでしょうか?
その理由は、「もし、歌や楽器演奏を楽譜通りにできなかったら、どうしよう?」「もし、原稿をど忘れしたら、どうしよう?」という恐怖(予期不安)で頭がいっぱいになってしまうからです。
その恐怖を脳がキャッチすると、ノルアドレナリンが分泌されます。そのノルアドレナリンの作用によって頭が真っ白になってしまうのです。
頭が真っ白になってしまうときの対処法としては、1番は楽譜やスピーチ原稿を見ながらやることです。
しかし、楽器の演奏なら譜面台の使用はOKという暗黙の了解がありますが、私が習っていた声楽は、「譜面台使用NG」という暗黙のルールがありました。
それに、結婚披露宴で友人代表のスピーチだと原稿を見ながらは味気ないし、プレゼンも一生懸命原稿を見ながらだと聞き手に不自然に映りますよね。
そんな「手元に楽譜や原稿を用意できない場合」に、頭が真っ白になった時はどのように対処すればいいのでしょうか?
その方法は、
- グラウディングする
- 丸暗記を止める
- 精緻化リハーサル
です。
1. グラウディングする
「声が震えるときの対処法」でも述べましたが、頭が真っ白になってしまったときは、「自分」を取り戻すことが大切です。
あがっているときの私たちは、文字通り「地に足がついていない」、フワフワしてアップアップした状態です。
そんな「我を忘れた」状態のときは、グラウディングして素早く「自分」を取り戻すのです。
「頭が真っ白になってしまった。何も思い出せない、どうしよう?」という意識の堂々巡りをしていると、どんどん自分を追い込んでしまいます。
そんな悪循環に自分が陥りかけていることに気が付いたら、素早くグラウディングして、大地のエネルギーと一体化しましょう。
自分を取り戻すことで、落ち着いて楽譜やスピーチ原稿を思い出せるようになることと思います。
2. 丸暗記を止める
頭が真っ白になる前段階として、楽譜やスピーチ原稿を記憶する必要があります。その際、頭から丸暗記するのは止めましょう。
楽譜でも原稿でも完全に丸暗記して一語一句覚えようとすると、ちょっとでもつっかえると焦ってしまい、そこから最後までグダグダになって終わる可能性があります。
心理学の分野に、認識、理解、思考など、高度な知的活動を研究する認知心理学があります。
認知心理学では、記憶を保持する時間や内容によって様々に定義しています。たとえば、記憶はその保持する時間の長さで短期記憶と長期記憶に分かれます。
短期記憶は一時的に数個程度の情報を保存するもので、長期記憶は半永久的に保存されるものです。
また、短期記憶で一度に覚えられる数には限りがあり、その数は7±2個とされています。
ただし、短期記憶の容量は単純に7個の数字や文字という訳ではなく、意味を持ったひとまとまり(チャンク)を単位としています。
楽譜やスピーチ原稿を暗記するには、このチャンクを用いましょう。たとえば、文や楽曲のブロックをチャンクとして、チャンクごとにイメージをつかむのです。
文は「序文」「本文」「結論」で分かれるし、曲なら「前奏曲」「間奏曲」「後奏曲」に分かれますよね。
そして、それぞれのブロックで、文章なら「こういうことを言っている」という大まかなイメージをつかみ、曲なら、「こういう曲調になっている」と、楽譜のイメージをつかみましょう。
その大まかイメージを覚えてさえいれば、一瞬頭が真っ白になっても、すぐに思い出しやすくなると思います。
3. 精緻化リハーサル
楽譜やスピーチ原稿を長期記憶として保持させるために「精緻化リハーサル」の手法を用いましょう。
精緻化リハーサルとは、認知心理学の用語で、記憶を定着するために繰り返すことです。なお、私たちが普段暗記するときのように、単に短期記憶に維持するために繰り返すことを維持リハーサルといいます。
精緻化リハーサルを行う際、ただやみくもに繰り返すのではなく、関連情報を増やしながら繰り返します。
その際、処理水準の深いものがより記憶に定着されやすいという実験結果があります。
処理水準には形態処理、音韻処理、意味処理の3段階があり、意味処理がもっとも処理水準が深いとされています。
意味処理とは、ある言葉を覚えようとしたとき、その言葉の意味を判断することです。
あなたも受験で歴史の年号を覚えるときに語呂合わせをしたと思います。有名なのが「1192(いいくに)作ろう鎌倉幕府」「794(なくよ)ウグイス平安京」等です。
こうやってただの数字に語呂合わせで他の意味を持たせると処理水準が深くなり、長期記憶として保持されやすくなります。
楽譜やスピーチ原稿を覚える際にも、意味処理を行って精緻化リハーサルをしましょう。たとえば、イタリア歌曲を覚える場合は和訳と照らし合わせて歌詞の意味を理解します。
私は大学の試験のために自分で書いたレポートの原稿を記憶するとき、試験官からの質問に答えるつもりでレポートの内容をかみ砕いて説明できるようにしました。
そうしたら、試験会場でも記憶した内容をすらすらと書くことができ、成績はほぼ「A評価」をとることができたのです。
まとめ
頭が真っ白になってしまい、せっかく覚えたはずの楽譜やスピーチ原稿をキレイにど忘れしてしまった・・・そんなときは、
- グラウディングする
- 丸暗記を止める
- 精緻化リハーサル
の、3つを試してみてください。
しかし、頭が真っ白になってしまう本当の理由は、「もし、忘れてしまったらどうしよう?」という予期不安です。したがって、予期不安を無くすことが何よりも大切です。
予期不安をしてしまう心理は、「失敗した自分に価値はない」という恐怖心です。なので、「失敗した自分でも価値はある」という自信を付けることが必要です。
もし、上記3つの方法を試しても頭が真っ白になってしまったら、お気軽にお問い合わせくださいね。