フォーカル・ジストニアを治療することの最大の障壁

フォーカル・ジストニアを治療することの最大の障壁

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フォーカル・ジストニアを治療することの最大の障壁ーそれは、患者本人が「心因性である」と認めたがらないことです。心因性だと認めたがらないので、私の話も認めようとはしませんし、100%安全とは言えない手術に賭けてしまいます。

 

なぜ、心因性であると認めたがらないのか、それには理由があります。

  1. 定位脳手術を推進している脳神経外科医が「心因性ではない」と主張しているから
  2. 「精神的なもの」に偏見があり、「自分は精神異常ではない」と主張したいから
  3. 心因性だと認めたら、受けなくてもいい脳手術を受けたことになり、自分を責めてしまい、悔やんでも悔やみきれないことになるから
  4. 「耐え難い心の苦しみ」から目を背けるために身体症状として現れているので、「原因は自分の内側にある」と認めることは絶対にできないから

の、4つだと思います。

※なお、医師の側からは、「1.心因性だと認めたら、後遺症に苦しむ患者たちから莫大な損害賠償請求を受けることになるから、2.脳神経外科学会を根底から覆す大問題へと発展するから」の2つだと思います。

 

フォーカル・ジストニアの原因と治療

 

フォーカル・ジストニアを治療する際、定位脳手術が第1候補に挙げられるようです。

その他には、鍼灸、整体、マッサージ、リハビリ療法などもあります。

私の下を訪れるクライエントは、定位脳手術以外の療法はすべて試された方ばかりです。

しかし、いずれも目立った改善効果はなく、困り果てて「最後の頼みの綱」として私の下を訪れます。

 

ほとんどのクライエントは、「なぜ、自分だけがこんな目に遭わなければいけなかったのか」を知りたがっています。

なので、私はまず原因を説明するところから始めます。

カウンセリングでは、クライエントの成育歴、特に親との関係、発症時の状況等を詳しくお伺いします。

フォーカル・ジストニアの発症メカニズムは、以下の通りです。

  1. 幼少期に、親やきょうだいとの関係で辛い出来事を経験する
  2. 辛すぎる出来事を潜在意識に抑圧する
  3. 大人になり、辛い出来事を思い出すことはほとんどなくなる
  4. 音楽家としての人生をスタートする
  5. 音楽家としての人生の転機(留学、音大の卒業試験、演奏方法を変える等)が訪れる
  6. 幼少期に抑圧した恐怖(完璧じゃない私は、誰からも愛されない!)が一気に甦る
  7. 楽器を弾こうとすると「予期不安」に襲われ、ノルアドレナリンが過剰分泌される。
  8. ストレスホルモンの影響で交感神経が優位になり、指が曲がったり、震えたり、声がかすれたりする。

つまり、フォーカル・ジストニアは幼少時に負った心の傷がフラッシュバックし、それが身体症状となって現れているということです。

 

「なぜ、それが分かったのか?」という疑問を持つ方も多いかも知れません。

私がこのメカニズムに気が付いたのは、私が「フォーカル・ジストニア」という症状を初めて知った時と同時でした。

なぜなら、TVのフォーカル・ジストニア特集で映し出されていたピアニストさんが「『上手く弾けなかったら、どうしよう?』と思ってから指が動かなくなった」と告白されていたからです。

 

この「上手く弾けなかったら、どうしよう?」の、「〇〇だったら、どうしよう?」を「予期不安」と言います。

予期不安とは「まだ起こってもいないことへの不安の先取り」のことを言います。

脳は現実に起こっていることと、そうでないこととの区別がつきません。

実際には、上手く弾けるかどうかは「神のみぞ知る」であって、人間がコントロールできることではありません。上手く行くときはいくし、失敗する時は失敗します。どんなベテラン音楽家であっても同じことです。

 

ところが、「予期不安」に憑りつかれた人は「100%、絶対に失敗する」「そうなったら、私の価値は無くなってしまう!」と頑なに信じています。

そうして、恐怖を感じた脳が副腎皮質や副腎髄質にストレスホルモンを分泌させるよう命令します。そのストレスホルモンの影響で交感神経が優位になり、骨格筋が過緊張したり、指が曲がったり、手足がや声が震えたりします。

 

フォーカル・ジストニアと解離性運動障害

フォーカル・ジストニアは、「解離性運動障害」の一種であると私は考えています。

*日本精神神経学会は、イップス(野球選手が投球時に急にノーコンになる、デッドボールを乱発する)を解離症状の一つだとしています。

https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=28

 

「解離性運動障害」とは、身体に特に異常が無いのに、声が出なくなったり、歩けなくなったり、耳が聞こえなくなったりする症状のことを言います。

「身体に異常が無い」ーまさに、「日常生活では普通に指が動くのに、演奏時のみ指が曲がる」フォーカル・ジストニアの特徴と同じです。

私もひどいあがり症ー声が上ずってひっくり返る、心臓が口から飛び出しそうなほど激しくバクバク、手足が暴れ馬のように盛大にガクガクブルブル震える、全身から滝のように流れる大量の発汗、しっかり覚えたはずの楽譜をキレイにど忘れ、右手の激しい書痙、発声時頸部ジストニア等に長年苦しんでいました。

 

これらの症状も、全て「日常生活では異常は現れない」「発表会など、特別の場でだけ現れる」という点ではフォーカル・ジストニアと同じです。

そして、全ての症状の原因は「予期不安」ー「上手く歌えなかったら、どうしよう?」から来ていました。

昔の私は自己評価が思いっきり低く、常に「いつも完璧でなければいけない」と思い込んでいました。失敗することで、これ以上自分の評価を落としたくなかったからです。

 

しかし、その思い込みがあまりにも強いと、「失敗したら、どうしよう?」と常に脅えることになります。この脅えがあがり症や書痙、発声時頸部ジストニアなどの症状を引き起こしていました。

このことに気が付いた私は、一念発起して心理学、脳神経科学、セラピー、カウンセリングなどの本を手当たり次第に読み漁りました。それらの本から得た知識と、アメリカ由来の「フォーカシング」という心理療法を結びつけた結果、自力で心理療法を開発し、その心理療法であがり症、書痙、発声時頸部ジストニア等の症状を無くすことができたのです。

抗不安薬やβ遮断薬などのお薬を一切飲まず、震えることなくステージに立てたあの日の喜びを、今でも鮮明に覚えています。

 

手術自体は短時間で済みますが、後遺症に苦しむ人がいることも事実です。

心理療法は時間は掛かりますが、根っこから治していくので、再発はありませんし、後遺症に苦しむこともありません。

それに何より、「ありのままの自分に自信を持てるようになる」という最大のプレゼント付きです。

 

もう一生、「完璧じゃない自分に価値はない」と脅えながら生きていく必要は無くなるのです。

私は、これこそが心理療法が与える最も素晴らしい恩恵だと思います。

ぜひ、4つの思い込みから解放されて、あなたにもそのプレゼントを受け取って欲しいと思います。

 

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