あがり症の人がハマる「沼」

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何かに夢中になってどっぷりハマることを「沼落ち」なんて言いますね。

ちなみに、私は「ロードバイク沼」「手ごねパン沼」にハマっています。

あなたは、どんな「沼」にハマっていますか?

 

人によっていろんな沼にハマると思いますが、あがり症の人は共通してハマる特有の「沼」があります。

あがり症の人が何年も何年もハマって抜け出せなくなる沼、それは・・・

「場数を踏んであがり症を治そうとして、何年も何年も場数を踏む結果、かえって悪化する」

という「場数沼(泥沼)」です。

 

 

そして、この「泥沼」は、あがり症の人に多いとされる性格傾向が関係しています。

 

あがり症の人に多い性格傾向

 

あがり症の人に多い性格傾向として、

・真面目

・完璧主義

・優等生

タイプが挙げられます。

 

実は、この性格傾向が仇となり、かえって「泥沼」に陥りやすくなってしまうのです。

あがり症の人の多くは「努力は裏切らない」「夢が叶わないのは、努力が足りないせいだ」という固い信念を持っています。

昼夜問わず努力を続けるおかげで、彼らの一部は「エリート」の地位に上り詰めることも珍しくありません。

 

しかし、この「諦めずに努力を続けていれば」という固い信念が間違った方向に適用されると、自分が泥沼に陥っていることに気付かず、何年も泥沼にハマり続けてしまうのです。

 

私の場合

 

そういう私も、場数を踏むこと実に7年も(!)場数を踏んであがり症を治そうとしていました。

たとえば、年1回の発表会、2ヶ月ごとのミニ発表会、コンクール、素人でも参加できるライブハウス等、計算すると2ヶ月に1回は「人前で歌う」ようにしていました。

しかし、やればやるほど悪化するだけで、ステージで立っているのがやっとという状態になりました。

 

それにも関わらず、

「あがり症が良くならないのは、私の『場数を踏む努力』が足りないせいだ。もっともっと、頑張らなきゃ」

と、思い込み、それまで以上にせっせと「場数沼」にハマっていました。

 

しかし、「場数沼」にハマること7年目にしてようやく、

「いくら場数を踏んでもちっともあがり症が良くならないし、それどころかどんどん悪化するだけ。もしかして、『場数を踏む』って間違っているっていうこと?」

という驚愕の事実に気が付き、その場で崩れ落ちそうになりました。

 

あがり症の原因

 

あがり症の人に多いとされる性格傾向である「真面目・完璧主義・優等生」タイプは、「完璧じゃない自分に価値はない」という恐れの裏返しから来ています。

ありのままの自分に自信が無いと、「完璧主義」の鎧を被って自分を守ろうとするのです。

しかし、発表会やプレゼンなどの「たくさんの知らない人たちから一斉に見詰められる場」に立つと、完璧主義の鎧をはがされる恐怖を感じます。

 

歌/楽器演奏、スピーチなどは一発勝負ですので、ごまかしがききません。

もし、失敗したら自分の価値が失われる!」という恐怖が高じると、脳の中にある「扁桃体」というアーモンド状の神経集合体が「発表会やプレゼンは、『自分の価値が損なわれる恐ろしい場』のようだ。危ないから『闘え/逃げろ/凍り付け!』」という指令を出します。

 

指令を受け取った身体は副腎皮質や副腎髄質からアドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾールなどのストレスホルモンを分泌させます。

 

これらのストレスホルモンの影響で交感神経が優位になり、

・声が上ずってひっくり返る

・心臓が口から飛び出しそうなほど激しくバクバク、

・手足がガクガクブルブル震える

・全身から大量の発汗

・せっかく覚えた楽譜をキレイにど忘れ

・殺されそうな強い不安や恐怖

などの諸症状に襲われます。

 

沼からの脱出

 

場数を踏むことは悪化の一途をたどるだけ」という驚愕の事実に気が付いた私は、一念発起して心理学、脳神経科学、カウンセリング、セラピーなどの本を手当たり次第に読み漁りました。

そして、「フォーカシング」というアメリカ由来のセラピーを練習しているとき、あがり症の原因の一つに、小学1年生の頃に受けた「上級生女子2人組因縁事件」があることが分かりました。

それから「フォーカシング」をベースにして心理療法を独自に開発しました。

 

心理療法であがり症を克服する過程で「ありのままの自分に自信を持てない」ことが最大の原因だと気が付きました。

そこで、これまでの人生の中で自己評価が低くなったさまざまな出来事から受けた心の傷を癒しました。

 

たとえば、いじめ、信じていた友人からの裏切り、教師による体罰、小学1年生の頃に体験した上級生女子2人組因縁事件など・・・

すると、「常に完璧じゃなくてもいいんだ」「失敗することはいけないことではない」「失敗したって大丈夫」という考えが芽生えてきました。

 

 

これらの考えが浸透するに連れ、あがり症の諸症状も次第に治まっていきました。

まず手足の震えや激しい動悸、大量の発汗などがピタリと止まりました。

それから4年かけて、強い不安や恐怖も次第に治まっていきました。

 

もちろん、この頃には「場数を踏まなきゃ」という強迫観念にも似た思いに動かされることはなくなりました。

やがて平常心で発表会に臨めるようになり、リラックスして歌う事を楽しめるようにもなりました。

そして、見ず知らずの観客から歌を褒められるまでになったのです。

 

まとめ

◆あがり症の人に多いとされる性格傾向である「真面目・完璧主義・優等生」が災いして、何年も場数を踏んで努力することがある。

◆あがり症の原因は「ありのままの自分に自信を持てないこと」にあるので、場数を踏んでも効果が無いことが多い。

◆心理療法でありのままの自分に自信を持てるようになれば、不安や恐怖も次第に治まっていく。

もし、「そう言えば、何年も場数を踏んでいるのにあがり症が悪化するだけだな」と気が付いたら、ちょっと立ち止まって考えてみた方がいいかも知れません。

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「あがり症の治し方」