あがり症の多汗症を克服する
あがり症の多汗症を克服する
あがり症の症状の一つである多汗症は、あがり症の不快な諸症状の中でも恥ずかしいし、情けなくなる症状です。
私の場合は、額から滝のような汗が出ました。
まるで、マンガの登場人物がかいているような、ダラダラと止まらない汗です。
そして、脇からも大量の汗が出ていました。
声楽の発表会のときに舞台袖で出番を待つ間、極度の緊張で額と脇からの汗が止まりません。
せっかくのステキなラベンダー色のシルクのドレスは、大量の汗による汗染みで見るも無残な姿になりました。
多汗症の原因
何とかしてあがり症を治そうと、ある時心理学や脳神経科学、カウンセリングや心理療法の勉強を猛然と開始しました。
その結果、治療を開始してから半年後には大量の発汗、手足の震え、心臓の激しい動悸、観客の視線が怖くてたまらないという症状の視線恐怖症が治りました。
そして、4年後には強い不安感が治りました。
あがり症の研究と治療を通して、なぜ私はあんなにもダラダラと大汗をかいていたのか、その原因が分かりました。
あがり症の人にとって、たくさんの知らない人を前にして歌や楽器演奏、スピーチやプレゼンを披露するステージは、「死刑囚にとっての執行台」のようなものです。
しかし、あがり症でない人にとっては、ステージは「ただのステージ」です。
ただのステージを必要以上に恐れることはないので、極度に緊張することもありません。
では、あがり症の人はなぜそんなにもステージを怖れているのでしょう?
その理由は、ステージで何かを披露してそれを失敗することが「死」そのものを意味していると考えているからです。
人間も動物なので、水と食料と空気があれば生きていけます。
ところが、ここが厄介なのですが、人間にとっては「自尊心」「自己肯定感」が水と食料以上に大事なのです。
よく、「自尊心が傷つけられて激怒した」という言葉を耳にします。
この言葉こそ、人間にとって「自尊心」が何よりも大事なことの証明です。
あがり症の人が1番怖れていることは、「歌や楽器演奏、スピーチやプレゼンで大失敗してしまい、そのことを観客からバカにされること」「その結果として、自尊心・自己肯定感」が貶められること」なのです。
余程意地の悪い人でもない限り、ステージで誰かが失敗したとしても、そのことでその人をバカにしたり、嘲笑したりはしません。
また、たとえその失敗を誰かが笑ったとしても、それを気にしなければいいだけのことです。
ところが、あがり症の人は基本的に自分のことも他人のことも信用していません。
そのため、「失敗したら観客は私のことをバカにするに違いない」「そうなったら、私は身の破滅だ」と脅えてしまうのです。
脳の中の扁桃体がこのときの恐怖を感じ取ると、副腎髄質からアドレナリンやノルアドレナリンが分泌されます。
そして、交感神経が優位になると、多汗症の症状が出てしまうのです。
多汗症の治療
したがって、多汗症を克服するためには、
「自分を好きになること」
「他人を信用できるようになること」
の、2つが必要でした。
そこで、まずは「なぜ、自分を好きになれないのか」「なぜ、他人を信用できないのか」について、徹底的に原因を究明しました。
その原因は、以下の
・小学生~中学生時代のいじめ
・小学4年生のときの担任教師による体罰
・音楽の授業でリコーダーを吹きそこなって失敗し、それを笑われたこと
・運動会のリレー競技でバトンを受けそこなって失敗し、それをなじられたこと
・学芸会でセリフを忘れてしまい、それを笑われたこと
等が原因でした。
これらの原因を心理療法で根気よく治すことで、大量の発汗はピタリと止まりました。
これには、自分でも驚きました。
「あんなにも大量の汗が止まらなかったのに・・・」
そして、
「大量の発汗から解放されるのって、こんなにも気分がいいんだ!」
と、解放感でウキウキしました。
多汗症でお悩みのあなたも、上記の原因と似た経験があるかどうか、ご自身で過去を振り返ってよく考えてみてください。
もしも似た経験があれば、あなたも多汗症を克服できるはずです。
「大量の汗が止まらなくて恥ずかしいです・・・」
「もう何着も、お気に入りのドレスを汗で台無しにしました」
そんな悩みをお持ちの方は、無料相談も行っていますので、お気軽にどうぞ。