サックス奏者Oさんのフォーカル・ジストニア治療記録・1

2022年7月23日

サックス奏者のOさんがフォーカル・ジストニアに悩まされるようになったのは、当時在籍していた音大で主催された演奏会に向けて練習に励んでいたときでした。

サックスを演奏しようとすると、左手の人差し指が曲がり、右手の人差し指と中指が曲がってしまうのです。

Oさんはフォーカル・ジストニアの治療のために、投薬、漢方、鍼、tDCS(脳電気刺激療法)などを受けました。

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鍼とtDCSは少し効果が感じられたようなものの、完治には至りませんでした。

そこで、Facebookで私が運営しているグループ「フォーカル・ジストニア完治を目指す会」に興味を持ち、私のもとを訪れました。

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私はOさんに完璧主義の傾向があるかどうかを尋ねました。

すると、Oさんは「発症時は、特に演奏に関して完璧主義なところがありました。おそらく、その当時師事していた先生の影響だと思います「と答えました。

Oさんによると、その当時師事していた先生は、ガミガミ怒鳴ったりすることはなかったものの、レッスン中にいつも「無言の圧力」をかけてきたそうです。

Oさんは、その先生の無言のプレッシャーに耐え切れず、そのせいで「完璧な演奏をしなければいけない」と思い込んでしまったそうです。

また、Oさんは自分の演奏家としての才能に自信がありませんでした。

Oさんによると、サックス演奏は中学生で習い始める人が多く、Oさんは高校生になってから習い始めたそうです。

中学生のときに習い始めた人と比較すると3年のブランクがあり、そのことが演奏家としての才能に自信を無くした原因だったそうです。

これらのことをOさんからお聞きした後、私はOさんに「Oさんのご両親のうち、どちらかがその厳しい先生に似ていませんか?」と尋ねました。

すると、Oさんは「あぁ!そういえば、私の父と似ています。父も、ときにとても教育に厳しいところがありました」と答えました。

Oさんによると、Oさんのお父様は教育やしつけにとても厳しく、ときに鉄拳が飛んできたそうです。

私はOさんに、Oさんがフォーカル・ジストニアを発症した原因について説明しました。

「サックス演奏を習い始めた時期が他人と比較すると遅く、そのせいで演奏家としての才能に自信を無くしてしまいました。

また、教育にとても厳しいOさんのお父様を連想させる先生から無言のプレッシャーを受けたことで、過去のトラウマが甦りました。

Oさんの脳は、「完璧な演奏をしなければいけない。そうでないと、また、あのときみたいにお父さんから鉄拳が飛んでくる」というプレッシャーから目を背けさせるために、フォーカル・ジストニアを発症させたんですよ」

Oさんは、私の説明に深く感じ入るところがあったご様子でした。

私はOさんに心理療法で演奏家としての才能に自信をつけさせ、子どもの頃に父親から受けた体罰のトラウマを癒し、完璧主義を修正し、厳しい先生から受けた無言のプレッシャーなどを癒しました。

カウンセリング後、Oさんに感想を伺いました。

Oさんは「ずっと、演奏家としての才能に自信が無かったんですけど、言われてみれば、たった3年のブランクだったんですよね。ものごとは、いろんな見方ができるんだと、すごく勉強になりました」と仰いました。

カウンセリングから1ヶ月後、Oさんから嬉しいご報告がありました。

「まだ、フォーカル・ジストニアの完治には至っていませんが、練習に対して、とても前向きに取り組めるようになりました!

とてもうれしくて、メッセージを送らせて頂きました」

Oさんの心がサックスを演奏する喜びであふれたとき、Oさんのフォーカル・ジストニアは完治しているはずです。

「演奏家としての才能に自信がありません・・・」

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