フォーカル・ジストニアの原因ー反復練習のし過ぎ

2020年5月4日

フォーカル・ジストニアの原因―反復練習のし過ぎ

フォーカル・ジストニアの原因ー反復練習のし過ぎ

フォーカル・ジストニアの原因は「反復練習のし過ぎ」が定説とされています。

なぜ、「反復練習のし過ぎ」がフォーカル・ジストニアの原因だと考えられたかというと、次の理由があるようです。

脳神経内科を訪れた患者が、「反復練習のし過ぎをしている内にフォーカル・ジストニアを発症した」と口々に訴えていたから。

つまり、確たる証拠もないのに、「反復練習のし過ぎをしている内にフォーカル・ジストニアを発症したから」という患者さんの訴えが多かったため、ということだけで原因を決めつけてしまったようです。

しかし、もし反復練習のし過ぎが原因なら、毎日楽器演奏の練習をしている音大生やプロの演奏家達の全員がフォーカル・ジストニアを発症しているはずです。

とすると、フォーカル・ジストニアの原因は「反復練習のし過ぎ」と決めつけるのはムリがあると思います。

そこで、なぜフォーカル・ジストニアの患者が「反復練習のし過ぎをしている内にフォーカル・ジストニアを発症した」と訴えたのかを考えてみたいと思います。

フォーカル・ジストニアを発症した患者達

1.プロの音楽家

2.音大生

3.趣味で楽器演奏をしている一般の社会人

私のカウンセリングを受けたクライアントは、上記の3種類です。

プロの音楽家と音大生なら、「反復練習のし過ぎをしている内にフォーカル・ジストニアを発症した」という訴えも理解できます。

大きなコンサートを直前に控えていたり、音大の卒業試験を控えていたりしたら、つい練習に熱が入るあまりに「反復練習のし過ぎ」をしてしまったというのも理解できます。

しかし、「趣味で楽器演奏をしている一般の社会人」は、反復練習のし過ぎをしたくてもできません。

平日に働いている社会人は、仕事が終わって帰宅してから練習できる時間はほとんどないでしょう。

せいぜい、仕事が休みの土日に1時間ばかり練習できればいい方だと思います。

そんな練習量が圧倒的に足りない一般の社会人でさえフォーカル・ジストニアを発症したということは、「反復練習のし過ぎ」が原因だとは考えづらいと思います。

そういう一般の社会人の私も、趣味で声楽とクラシックギターを習っていました。

そして、毎年の発表会では、ひどいあがり症に悩まされていました。

その頃の自分を思い返すと、確かに発表会の1週間前は、たった1曲の歌曲を何度も何度も繰り返して「練習のし過ぎ」をしていました。

特に、発表会前日は練習のし過ぎで喉を枯らしそうになっていました。

しかし、どんなに練習のし過ぎをしても、結局発表会当日はあがって大失敗してしまいました。

いくら練習のし過ぎをしても、私の努力には全く意味が無かったのです。

なぜ、こんなにも練習のし過ぎをしていたかというと「楽譜をど忘れしたら、どうしよう?」という恐怖に脅えていたからです。

フォーカル・ジストニアを発症した音楽家達も、おそらく何らかの恐怖に脅えて反復練習のし過ぎをしていたに違いありません。

そもそも、なぜそんなにも反復練習のし過ぎをしなければいけないのかというと、自分の才能に自信が無いからです。

もしも自分の実力に自信があったら、喉を枯らすほど練習をする必要はありません。

むしろ、前日はゆっくり休んで喉を酷使しないように気を使うことでしょう。

それに、「当日の演奏が上手くいくかどうか」ことに対する保障は、いくら喉を枯らすほど練習したとしても、誰にもできません。

結局のところ、自分の実力に頼る他ないのです。

自分の実力に自信が無い人は自信を埋める代わりに「反復練習のし過ぎ」をせざるを得ないのです。

「反復練習のし過ぎ」-強迫神経症

「○○のし過ぎ」を別の言葉で言い換えると「強迫神経症」になります。

たとえば、「1日中手を洗わないと気が済まない」とか「外出前に家中のカギを確認しないと気が済まない」という人がいます。

強迫観念とは、きわめて強い不安感や恐怖感のことです。対象物がない不安や、「手が汚れているのではないかと気になって仕方がない」「家の鍵を閉めたか気になって仕方がない」などある特定の対象物に対する不安や恐怖です。

強迫行為とは、強迫観念を打ち消すために繰り返し行う行為です。たとえば「手を一日に何十回・何百回も洗う」「会社に行く途中に何度も自宅に戻って施錠の確認をする」などです。普通のひとでも不安感はありますが、この疾患では強迫観念・行為によって日常生活に支障がでてしまいます。

「強迫性障害」「強迫神経症」とは「厚生労働省」e-ヘルスネット

つまり、フォーカル・ジストニアの原因は「反復練習のし過ぎ」ではなく、「強迫神経症と言えるほどに反復練習をしていた」ということです。

言い換えると、強迫神経症を発症するほどに、音楽家達は不安定な精神状態に追い込まれていたということです。

前述のように、自分の実力に自信がある人は自分を追い込んでまで練習はしません。

ところが、私のように自分の実力に自信が無い人は、躍起になって練習をしないと気が済まないのです。

根っこのところで自信が無い人は、いくら努力しても「これでいい」「これで十分だ」という満足感を得られることができません。

そのために、「努力の底なし沼」に首までどっぷりとハマってしまうのです。

ということは、フォーカル・ジストニアの原因は「反復練習のし過ぎ」ではなく、「自分の才能に対する自信の無さ」「自分を肯定できない無力感」「不安定な精神状態」そのものにあるということです。

フォーカル・ジストニアの原因―脳内神経伝達物質のバランス異常

極度に不安定な精神状態になると、脳内神経伝達物質のバランスが乱れます。

たとえば、セロトニンが不足したり、アドレナリンやノルアドレナリンが過剰分泌されたりします。

セロトニンは、過剰に分泌された脳内神経伝達物質のバランスを調整する役目があるとされています。

ストレスによりセロトニンが不足すると、益々脳内神経伝達物質のバランスが崩れます。

私は、このような神経伝達物質のバランスが乱れたことがフォーカル・ジストニアの原因だと思います。

実際、私のカウンセリングを受けたクライアントにフォーカル・ジストニアを発症した当時の精神状態をお伺いすると、

「様々なストレスやプレッシャーを感じていて、精神的に追い込まれていた」

「仕事でもプライベートでもストレスを感じる状況だった」

と口にするクライアントが多かったのです。

忙しい現代人は、仕事やプライベートにおいて何かとストレスやプレッシャーを感じやすいと思います。

しかし、フォーカル・ジストニアを発症した音楽家と同じくらいのストレスやプレッシャーを感じていても、発症しない音楽家も存在します。

ということは、フォーカル・ジストニアの原因は「ストレスやプレッシャーに極度に弱い精神状態」「ストレス耐性が極めて弱い」にあると言えます。

ストレス耐性が強いかどうかは、「自分を肯定できているか、いないか」に関わってきます。

たとえば、対人関係で何かトラブルが起きたとします。

こういうとき、自分を肯定できている人は「ま、いっか!」「なんとかなるでしょ!」と、楽観的に構えることができます。

ところが、自分を肯定できていない人は「こんなトラブルに巻き込まれてしまって、どうしよう?」「あの人に嫌われてしまったら、お終いだ」「きっと、皆が私のことをバカにしているに違いないわ」と、自分で自分をドンドン追い込んでしまいます。

「いくら考えても仕方のないこと」を、ドンドン悪い方向に想像を膨らませて自分を責め続けてしまうのです。

これでは、脳内神経伝達物質のバランスは崩れる一方です。

実際、私のカウンセリングを受けるクライアントに「自分に自信がありますか?」とお伺いすると、全員が口を揃えて「いいえ、全く自信がありません」「子どもの頃からずっと、自分のことが嫌いでした」と言いました。

フォーカル・ジストニアの治療―自分に自信をつける

私が行うフォーカル・ジストニアの治療は、クライアントに「自分の才能に自信をつけてもらう」「自分のことを好きになってもらう」ことと、「発症時に抱いたストレスやプレッシャーを解消してもらう」ことです。

自分の才能に自信をもってもらい、自分を好きになってもらうことで、ストレス耐性が強くなります。

そうすれば、ネガティブ思考をしなくなり、強迫神経症の一種である「反復練習のし過ぎ」をするほどに精神状態が追い込まれなくなります。

その結果、脳内神経伝達物質のバランスが崩れることもなく、正常に保たれます。

そして、フォーカル・ジストニアが治ります。

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