あがらずに楽器演奏が格段に向上する秘訣
あがらずに楽器演奏が格段に向上する秘訣
「あがらないで、楽器演奏が上手にできたらいいなぁ・・・」と、あがり症で苦しんでいる演奏家なら誰もが願うことでしょう。
しかし、普段のそんな願いは虚しく、いざステージに立つと、頭が真っ白になって楽譜をど忘れし、声は上ずってひっくり返り、手足はガクガクブルブル震え、大量の発汗をし、口から心臓が飛び出しそうなほどの激しい動悸と強い不安感や恐怖感に襲われます。
そして、「また、あがってしまった・・・」と、意気消沈してガックリとうなだれ、スゴスゴとステージを後にします。
私自身も、自力で開発した心理療法であがり症を完治するまで、何度もこれを繰り返していました。
あがり症を治した今だから分かるのですが、「あがらずに楽器演奏を格段に向上する秘訣」は、存在します。
しかも、意外と簡単なのです。
それは、「歌や楽器演奏に意識を集中すること」です。
「そんなの、当たり前じゃないの!?」と、あがり症と無縁の幸運な人は思うことでしょう。
しかし、あがり症の人が歌や楽器演奏時に何を考えているかというと「あがったら、どうしよう?」の1点のみなのです。
あがり症のスイッチ
「あがったら、どうしよう?」と思うのは、それだけ「あがること」を怖れているからです。
ところが、この「あがったら、どうしよう?」と恐怖することそのものが、実は「あがり症のスイッチ」となります。
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「あがったら、どうしよう?」と恐怖すると、副腎髄質からアドレナリンとノルアドレナリンが分泌されます。
そして、アドレナリンの働きで交感神経が活発になります。
交感神経が活発になると、激しい動悸や大量の発汗、ど忘れや手足がガクガクブルブルと震えだすという、あがり症の諸症状が表れます。
ですから、「あがったら、どうしよう?」と思っている間は、あがり症のスイッチがオンになりっぱなしなのです。
したがって、あがり症のスイッチをオフにするためには、歌や楽器演奏の時には「歌や楽器演奏に意識を集中させること」なのです。
人は、一度に2つのことを考えることはできません。
「あがったら、どうしよう?」と恐怖するか、肝心の歌や楽器演奏に意識を集中させるか、どちらかの1点を選択すればいいだけのことです。
「そんなことができたら、誰も苦労しないよ」という恨み節が聴こえてきそうですね(^^;。
実際、私も発表会の1週間前から毎日「あがったら、どうしよう?」という不安や恐怖で頭がいっぱいでした。
当時の私に「『あがったら、どうしよう?』と思うとあがるから、歌や楽器演奏に意識を集中させなさい」と言ったら「それが出来たら苦労しないわ!」と、逆ギレすること間違い無しです。
しかし、ある日の発表会で何となく楽譜や発声に意識を集中させていたら、そのときは全くあがりませんでした。
そのときの私も「あれ?楽譜や発声に意識を集中させていたら、全然あがらないぞ?」と驚きました。
しかし、うっかり気を抜いて「あがったら、どうしよう?」と不安に思うと、途端にあがり症の諸症状に襲われました(^^;。
あがり症の人がなぜそんなにも「あがったら、どうしよう?」という恐怖に憑りつかれているかというと、「完璧でない人間に値打ちはない」という考えがあるからです。
あがり症と無縁の人は「完璧でない人間であっても、値打ちはある」と考えています。
ですから、失敗することをそれほど恐れてはいません。
緊張することがないから、あがり症にはならないのです。
自分のことしか考えていないあがり症の人
「あがり症になる人は、自意識過剰なところがある」と言われます。
なぜ自意識過剰かというと、「あがったら、どうしよう?」と、自分のことしか考えていないからです。
これは、あがり症の原因が失敗恐怖症である以上、仕方のないことです。
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私も、あがり症でいっぱいいっぱいだったときは、
「とにかく、手足が震えませんように」
「頭が真っ白になって、楽譜をど忘れしませんように」
「心臓が割れそうなほどにバクバクするのはイヤだ」
「全身から滝のような大汗が出るのは恥ずかしい」
「このどうしようもない不安感を何とかしたい」
しか発表会では考えていませんでした。
でも、実はこの考えこそがあがり症を発症させる1番の原因なのです。
これらの必死の願いの根っこには「失敗して、無様な姿をさらしたくない」「失敗したら、みんなは私をバカにするだろう」という恐怖が横たわっています。
実際には、失敗しない演奏家なんて一人もいませんし、失敗したところで聴衆がそれをどう思うかは聴衆の自由なので、自分ではコントロールできません。
ですから、「あがったら、どうしよう?」という恐怖は全く持って「考えるだけムダ」なのです。
「考えるだけムダ」な行為のせいで結局のところあがって失敗するなんて、こんなにも虚しく、非生産的な行為はありませんよね(^^;。
歌や楽器演奏の向上の秘訣―「聴衆ファースト」
私は、マジック・セラピーのおかげで失敗恐怖症を癒し、あがり症を克服したら、本来歌に対して持っている「欲」が出てきました。
その「欲」とは――
「聞いてくれる人を感動させるような、上手い歌を歌いたい、素晴らしい演奏をしたい」
です。
どんなものごともそうですが、「心の余裕」がどれだけあるか、で値打ちが上がると思います。
「あがったらどうしよう?」で頭がいっぱいの人の歌や楽器演奏は、心のベクトルが「他人からバカにされたくない」という自分のエゴに向かっています。
しかし、「聴いてくれる人を感動させるような、素晴らしい歌を歌いたい」と願う時、心のベクトルは聴衆に向けられています。
最近よく使われる「○○ファースト」ですが、歌や楽器演奏をしているときは、「聴衆ファースト」でなければいけないのです。
「他人からバカにされたくない」「無様な姿を人前でさらしたくない」という「自分ファースト」で頭がいっぱいの人の歌や楽器演奏を、あなたは聴きたいと思いますか?
私だったら、タダでも聴きたくないと思います。
でも、あなたも多分、歌や楽器の演奏を習い始めた最初の動機は、私と同じだったはずです。
きっと、
「憧れの○○さんみたいな歌手になりたい」
「あの人のピアノ演奏大好き。あんな風にピアノを弾けたら」
「あんな風に人をうっとりさせるような ヴァイオリンを弾きたい」
「ムリだってわかっているけど、 憧れのあの人みたいなサックス・プレイヤーになれたら」
「夢は、憧れのあのギタリストと共演すること!」
という、ごく素朴で単純だけど、あなたの「本心」からでた、強い願いではないでしょうか?
ところが、あがり症にとらわれてしまっている間は、「とにかく、あがらずに歌や楽器の演奏をしたい」で頭がいっぱいになってしまいます。
その結果、「あがって失敗すること」を恐れるあまりに、みごとにあがって失敗するという、悪循環に陥ります。
これでは、歌や楽器の演奏技術が向上するはずはありません。
あがらずに歌や楽器の演奏を格段に向上させるには、何よりも聴衆のことを考えることです。
つまり、
「聞いてくれる人を感動させるような歌や楽器演奏をしたい!」>>>>>>>>>>
「あがって恥ずかしい思いをしたくない」
「せっかく来てくれたお客さんのために、丁寧な歌や楽器演奏をしよう」>>>>>>>「聴衆の前で、あがってみっともない姿を見せたくない」
と、気持ちをシフトさせることです。
私も、「今日は、聴衆のために、できるだけ丁寧に歌おう」と考えながら歌っていたら、ファン第1号ができました(^^♪。
あなたも、聴衆のことだけ考えて、歌や楽器演奏をしてください。
きっと、あがらずに歌や楽器演奏の技術が向上しているはずです。
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「音大生なのに、あがり症です・・・」
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