フォーカル・ジストニアの原因ー人生の転機

2020年5月3日

フォーカル・ジストニアの原因ー人生の転機

フォーカル・ジストニアの原因ー人生の転機

フォーカル・ジストニアに悩む音楽家をカウンセリングしていると、クライアントは「人生の転機」とも呼べる時期にフォーカル・ジストニアを発症していたことに気が付きます。

たとえば、ある音楽家は留学中に発症したり、ある音楽家は大きなコンサートに参加することになったり、ある人はオーディションに参加することになったり、ある人は音大の卒業試験を控えていたりしました。

このような「人生の転機」とも呼べる時期には、当然、普段より強いストレスがかかります。

朝日新聞の有料記事なので、途中までですが。

「左手の指でピアノの鍵盤を押した後、意思に反して指が上がらない。異常が生じるのは演奏時だけだが、「すべてが終わった」と絶望に包まれた」


 6歳でピアノを始め、15歳で全日本学生音楽コンクールの中学生の部全国大会で1位に。ウィーン国立音楽大学に留学し、97年にはABC新人コンサートで最優秀賞を受賞。本格的に演奏活動を始めようとした矢先だった。

出典:朝日新聞「ピアニスト襲ったジストニア」

このピアニストさんは、留学先のウィーンでフォーカル・ジストニアを発症したそうです。

私たち日本人が欧米で生活することになったとき、様々なストレスと直面します。

たとえば、言葉の壁や生活習慣、食習慣の違い、白人から受ける人種差別、日本人と欧米人の気質の差、気候の差にも戸惑います。

そのようなストレスのかかる環境で、さらに世界中から集まる優秀な留学生たちと切磋琢磨しながら練習に励むのですから、このピアニストさんが受けたストレスやプレッシャーは、本人が思っている以上に強いものだっただろうと思います。

このように強いストレスがかかっている時期に、フォーカル・ジストニアを発症するキッカケとなった、「ある種の不安」がこのピアニストさんを襲っただと考えられます。

フォーカル・ジストニアの発症原因ー「ある種の不安」

「ある種の不安」とは、「不確かな未来への、漠然とした恐怖や不安」のことです。

関連記事:フォーカル・ジストニアの原因ー「漠然とした恐怖や不安」

神ならぬ身である私たち人間は、誰も正確に未来を予測することはできません。

こんなとき、自分を肯定している人は未来に対して「まぁ、何とかなるだろう」と、楽観的になれます。

しかし、自分を肯定できていない人は、「いったい、自分の未来はどうなってしまうんだろう?」と、恐怖や不安に襲われてしまいます。

他人から見たら「考えても仕方がないことでクヨクヨ悩まなくてもいいんじゃない?」と思うでしょう。

しかし、自分を肯定できていない人にとっては、確実に未来を予測できないからこそ、不安でたまらなくなってしまうのです。

2011年に起きた東日本大震災のとき、誰もが「先の見えない不安」に襲われたことと思います。

そうした不安が一過性の人もいれば、鬱症状を起こしてしまうほどに追い込まれた人もいます。

この差が、「根っこのところで自分を肯定できているか、いないか」にかかっているのです。

そして、この「漠然とした恐怖や不安」を脳の中の扁桃体という部位が、「楽器演奏=危険極まりない行為」と認識します。

扁桃体は、人間の全身に向かって「そこから逃げろ!」という命令を出します。

その命令をキャッチすると、アドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンが分泌され、セロトニンが減少し、アセチルコリンが低下します。

その結果、随意運動を制御するドーパミンとアセチルコリンのバランス異常となり、フォーカル・ジストニアを発症します。

したがって、フォーカル・ジストニアの治療は、心理療法でフォーカル・ジストニア発症時のストレスやプレッシャーを癒すことです。

脳がストレスやプレッシャーを感じ無くなれば、アドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミン、アセチルコリン、セロトニンのバランスが正常に戻ります。

そして、フォーカル・ジストニアが完治します。

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