あがり症と「異常な負けず嫌い」
あがり症と「異常な負けず嫌い」
あがり症に悩む人をカウンセリングしていると、
「私は、かなりの負けず嫌いです」
「私は、完璧主義です」
と仰るクライエントに出会います。
あがり症に悩む人と「負けず嫌い」「完璧主義」は切っても切れない関係のように思います。
「負けず嫌い」「完璧主義」というと、なんだか自分に厳しくてカッコイイ人のような気がしますね。
ところがその実態は、「自分の弱さを認めることができない」だけなのです。
なぜそう言えるかというと、ひどいあがり症だった私も、かなりの負けず嫌いだったからです(笑)。
異常な負けず嫌いの真実
どれくらいの負けず嫌いかというと、他人から見たら「たかが趣味」でしかない声楽やクラシック・ギターのために、教室を2つもかけもちしていたときもありました。
当然、それだけお金も出ていきますし、プライベートの時間はほとんど声楽やクラシック・ギターの練習に費やしていました。
私にとっては「たかが趣味」でしかない声楽やクラシック・ギターでしたが、「誰にも負けたくない」一心だったのです。
しかし、その結果が発表会でのひどいあがり症という、全く笑えない「オチ」でした(泣)。
自分でも、
「毎日一生懸命に練習しているのに、その結果があがり症だなんて・・・」
「一体、私は何のためにこんなに努力しているんだろう?」
と、虚しい気持ちで一杯でした。
「負けず嫌い」はカッコイイ?
「異常なほどの負けず嫌い」は、それだけ自分を嫌っているということを意味しています。
自分を肯定している人は、初めから満たされているので、他人に負けてもあまり気にしません。
ところが、「異常なほどに自分を嫌っている人」は、他人に負けると、自分の価値がさらに下げられてしまうような気がします。
そのため、勝負事には徹底的に勝とうとしますし、もし他人と比較して自分が劣っていることが分かれば、ひどく落ち込みます。
このような「負けず嫌い」の人は、「自分を嫌っている」という事実を決して認めようとしません。
なぜなら、自分を嫌っている人が、「自分を嫌っている」という事実を認めると、さらに自分の価値が下がってしまうような気がするからです。
そのため、意地でも自分を嫌っていることを認めようとはしません。
ところが、負けず嫌いの治療の第一歩は、
「異常なほどの負けず嫌いの原因は、異常なほどに自分を嫌っているから。自分を守るために『負けず嫌い』の鎧を被っている」
ということを認めることです。
この第一歩を拒否してしまうので、負けず嫌いさんは人生で何かと苦労することが多いのです。
あがり症を治した今だから分かるのですが、「他人に負けたくない」という気持ちで練習を頑張っていたのですから、肝心の声楽やクラシック・ギターそのものが楽しくないのは当たり前です。
しかし、その当時はこのことが全く分かっていませんでした。
ひどいあがり症で苦しんでいた頃の私は「負けず嫌い」をカッコ良いと思いこんでいました。
しかし、負けず嫌いの実態は「自分の弱さを認めることが出来ない」だけのことだったのです。
発表会は、「たくさんの知らない人たち」から一斉に注目される場でもあります。
そのような場で歌ったり、クラシック・ギターの演奏をしたりすることは、私にとっては
「他人からジャッジされる」
ことだと思いこんでいました。
そのように思いこむと「絶対に失敗することはできない」と、ひどく緊張します。
そして、緊張するあまりに、あがり症になってしまったのです。
異常な負けず嫌いを治す方法ー自分の「弱さ」を愛する
心理療法で徹底的にトラウマやコンプレックスを癒すことで、自分の弱さを愛せるようになりました。
関連記事:あがり症の治療―自分を好きになってあがり症を改善する方法
負けず嫌いだったときは、「弱い自分はダメな人間だ」と思いこんでいました。
しかし、「弱い自分でも価値はある」と思えることで、他人に負けても気にならなくなりました。
自分を守るための「負けず嫌い」という鎧を被らなくても大丈夫だ、という自信を持てるようになったのです。
「他人からどう思われるか」ということも気にならなくなり、あがり症も治りました。
あがり症を治して初めて、
「今までの自分の負けず嫌いは、自分の弱さを他人に見せたくなかったからなんだ」
と理解しました。
今では、「私って、ドジでマヌケでノロマな亀なんです‼️」と、堂々と言えるようになりました(笑)。
他人に負けることを気にしなくなりましたし、1番を目指してガムシャラに努力することもなくなりました。
そのように気負わなくなったことで、あがらなくなりました。
あがり症でお悩みの皆さんも、「私って、ドジでマヌケでノロマな亀なんです‼️」と、胸を張って言える自分を目指してくださいね(^^)/。
自分の弱さを愛せるようになったとき、あがり症は完治します。
まとめ
■ 「負けず嫌い」は、自分の弱さを認めることができないから。
■ 自分の弱さを愛することで、負けず嫌いは治る。
■ 負けず嫌いを手放し、「負けてもいいや」と思えるようになることで、あがり症は治る。
「自分の弱さを自分で愛せることができません・・・」
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