あがり症と「異常な負けず嫌い」

あがり症と「異常な負けず嫌い」

two women having a pillow fight
Photo by Ketut Subiyanto on Pexels.com

あがり症に悩む人をカウンセリングしていると、

「私は、かなりの負けず嫌いです」

「私は、完璧主義です」

と仰るクライエントに出会います。

あがり症に悩む人と「負けず嫌い」「完璧主義」は切っても切れない関係のように思います。

「負けず嫌い」「完璧主義」というと、なんだか自分に厳しくてカッコイイ人のような気がしますね。

ところがその実態は、「自分の弱さを認めることができない」だけなのです。

なぜそう言えるかというと、ひどいあがり症だった私も、かなりの負けず嫌いだったからです(笑)。

異常な負けず嫌いの真実

grayscale photo of cutaway acoustic guitar
Photo by Jessica Lewis Creative on Pexels.com

どれくらいの負けず嫌いかというと、他人から見たら「たかが趣味」でしかない声楽やクラシック・ギターのために、教室を2つもかけもちしていたときもありました。

当然、それだけお金も出ていきますし、プライベートの時間はほとんど声楽やクラシック・ギターの練習に費やしていました。

私にとっては「たかが趣味」でしかない声楽やクラシック・ギターでしたが、「誰にも負けたくない」一心だったのです。

しかし、その結果が発表会でのひどいあがり症という、全く笑えない「オチ」でした(泣)。

自分でも、

「毎日一生懸命に練習しているのに、その結果があがり症だなんて・・・」

「一体、私は何のためにこんなに努力しているんだろう?」

と、虚しい気持ちで一杯でした。

「負けず嫌い」はカッコイイ?

men fighting in the ring
Photo by Vlad Dediu on Pexels.com

「異常なほどの負けず嫌い」は、それだけ自分を嫌っているということを意味しています。

自分を肯定している人は、初めから満たされているので、他人に負けてもあまり気にしません。

ところが、「異常なほどに自分を嫌っている人」は、他人に負けると、自分の価値がさらに下げられてしまうような気がします。

そのため、勝負事には徹底的に勝とうとしますし、もし他人と比較して自分が劣っていることが分かれば、ひどく落ち込みます。

このような「負けず嫌い」の人は、「自分を嫌っている」という事実を決して認めようとしません。

なぜなら、自分を嫌っている人が、「自分を嫌っている」という事実を認めると、さらに自分の価値が下がってしまうような気がするからです。

そのため、意地でも自分を嫌っていることを認めようとはしません。

ところが、負けず嫌いの治療の第一歩は、

「異常なほどの負けず嫌いの原因は、異常なほどに自分を嫌っているから。自分を守るために『負けず嫌い』の鎧を被っている」

ということを認めることです。

この第一歩を拒否してしまうので、負けず嫌いさんは人生で何かと苦労することが多いのです。

あがり症を治した今だから分かるのですが、「他人に負けたくない」という気持ちで練習を頑張っていたのですから、肝心の声楽やクラシック・ギターそのものが楽しくないのは当たり前です。

しかし、その当時はこのことが全く分かっていませんでした。

ひどいあがり症で苦しんでいた頃の私は「負けず嫌い」をカッコ良いと思いこんでいました。

しかし、負けず嫌いの実態は「自分の弱さを認めることが出来ない」だけのことだったのです。

発表会は、「たくさんの知らない人たち」から一斉に注目される場でもあります。

そのような場で歌ったり、クラシック・ギターの演奏をしたりすることは、私にとっては

「他人からジャッジされる」

ことだと思いこんでいました。

そのように思いこむと「絶対に失敗することはできない」と、ひどく緊張します。

そして、緊張するあまりに、あがり症になってしまったのです。

異常な負けず嫌いを治す方法ー自分の「弱さ」を愛する

a fearful woman having claustrophobia in a cardboard box
Photo by MART PRODUCTION on Pexels.com

心理療法で徹底的にトラウマやコンプレックスを癒すことで、自分の弱さを愛せるようになりました。

関連記事:あがり症の治療―自分を好きになってあがり症を改善する方法

負けず嫌いだったときは、「弱い自分はダメな人間だ」と思いこんでいました。

しかし、「弱い自分でも価値はある」と思えることで、他人に負けても気にならなくなりました。

自分を守るための「負けず嫌い」という鎧を被らなくても大丈夫だ、という自信を持てるようになったのです。

「他人からどう思われるか」ということも気にならなくなり、あがり症も治りました。

あがり症を治して初めて、

「今までの自分の負けず嫌いは、自分の弱さを他人に見せたくなかったからなんだ」

と理解しました。

今では、「私って、ドジでマヌケでノロマな亀なんです‼️」と、堂々と言えるようになりました(笑)。

他人に負けることを気にしなくなりましたし、1番を目指してガムシャラに努力することもなくなりました。

そのように気負わなくなったことで、あがらなくなりました。

あがり症でお悩みの皆さんも、「私って、ドジでマヌケでノロマな亀なんです‼️」と、胸を張って言える自分を目指してくださいね(^^)/。

自分の弱さを愛せるようになったとき、あがり症は完治します。

まとめ

■ 「負けず嫌い」は、自分の弱さを認めることができないから。

■ 自分の弱さを愛することで、負けず嫌いは治る。

■ 負けず嫌いを手放し、「負けてもいいや」と思えるようになることで、あがり症は治る。

「自分の弱さを自分で愛せることができません・・・」

そんな悩みをお持ちの方は、無料相談からどうぞ。

>>>無料相談のお申し込みはコチラから