あがり症の無限ループ
「もう何年も、あがり症で苦しんでいます」
「治そうとして努力すればするほど、あがり症が悪化の一途をたどります」
「抗不安薬や、β遮断薬を飲んでいるのですが、最近効き目が無くなってきました」
こんなお悩みを、クライアントの方からよく耳にします。
こういう症状を訴える方は、間違いなく「あがり症の無限ループ」に陥っています。
恐ろしいことに、一旦この「あがり症の無限ループ」にハマると、まさに底なし沼に足をとられたように、もがけばもがく程、どんどん深みに引きずられてしまいます。
そして、気付けばあがり症が発症してから10年~20年もの歳月が経つことになります。
これが、あがり症の1番恐ろしいところです。
なぜ、このような「あがり症の無限ループ」にハマってしまうのでしょう?
その理由は、あがり症になる人は「自己否定からくる完璧主義者」が多いからです。
「自己否定からくる完璧主義者」は、「完璧じゃない自分はダメだ。だから、常に最高のパフォーマンスをしなければいけない」と身構えています。
そのため、「ちょっとのミスでも、自分にとっては致命傷だ」と思い込んでいます。
ところが、このようにしてミスを恐れると、恐れるあまりに身体が緊張し、かえってミスをしやすくなります。
自己否定からくる完璧主義者は、「あんなに気を付けていたのに」「絶対に失敗したくないのに」と、ミスをした自分、完全でない自分を責め立てます。
そして、ミスをした自分、完璧でない自分を許せなくて、どんどん自分を嫌いになります。
このようにして、自己否定の度合いを強めた人が「次こそは、絶対に失敗しないぞ」と気合を入れると、前回失敗したときよりも、さらに強いプレッシャーを自分にかけることになります。
皮肉なことに、自分にプレッシャーをかければかけるほど、身体は緊張し、あがって失敗しやすくなります。
その結果、「あがり症の無限ループ」が見事に完成します。
つまり、
①「自己否定からくる完璧主義者」が、「完璧じゃない自分はダメだ。最高のパフォーマンスをしてみせるぞ」と意気込む→
②体が緊張し、あがって失敗する→
③「失敗した自分はダメな人間だ」と、さらに自分を嫌いになる→
④「次こそは、絶対に失敗しないぞ」と、さらに強いプレッシャーを自分にかける→
⑤体がさらに緊張し、あがって失敗する→
⑥さらに自分を嫌いになる→
①に戻る。
ということなのです。
もしも、今のあなたがこの「あがり症の無限ループ」にハマっていることに気が付いたら、即刻意識改革をしてください。
次回、あがって失敗したとしても、そこで「また、ミスをしてしまった。完璧じゃない自分はダメだ」と自分を責め立てるのを止めてください。
その代わりに、「また、失敗しちゃったけど、そんな自分でもいいんだ」と、「失敗した自分」を受け入れてください。
すると、必要以上に自分にプレッシャーをかけることがなくなります。
その結果、身体がリラックスして、あがらなくなります。
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「あがり症の無限ループにハマって、もう10年以上経ちました・・・」
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