あがり症と対人恐怖症
あがり症と対人恐怖症
あがり症の原因もいろいろありますが、その一つに対人恐怖症があります。
対人恐怖症とは、文字通り「他人が怖い」症状です。
他人を前にすると、訳も無く不安になったり、恐怖を抱いたりします。
対人恐怖症の原因もいろいろありますが、1番は「両親からの肉体的・精神的虐待」です。
対人恐怖症の原因―両親からの肉体的・精神的虐待
人が生まれて初めて接する人は、自分の両親です。
両親が常に子供を保護し、慈しみ、子どもの幸福を気にかけていたら、子どもは両親を全面的に信頼します。
その反対に、子どもの養育を拒否したり、暴言を吐いたり、暴力を振るったり、子どもの心をないがしろにしていたりしたら、子どもは親を信頼・信用することはできなくなります。
実の親でさえ信用できないのですから、家族以外の他人はもっと信用できなくなります。
学校や会社では、同級生や同僚、上司、部下と毎日顔を合わせますから、他人と言っても「まるっきりの赤の他人」というものでもありません。
対人恐怖症の人が、いわゆる「リア充」「陽キャ」のような、人生をキラキラと謳歌している「上位カースト」の人と友人のように親しく接することはないでしょう。
しかし、お互いに顔と名前は知っているし、2、3度くらいは話をすることもあるかもしれません。
ところが、発表会やプレゼン、結婚式の披露宴等に集まる人達は、「まるっきりの赤の他人」です。
お互いに名前も知らないし、あなたと口を利くこともありません。
それどころか、あなたの出番が終わったら、さっさと帰ってしまう人達です。
あがり症の人にとって、このような人達は「冷酷無比な批評家」に映ります。
しかも、「ダメ出しの嵐を突き付けてくるに違いない」と、自分で決めてかかっています。
アーティストや役者のオーディションでは、「冷酷無比な批評家」に囲まれることは当たり前のことです。
自分の楽器演奏や演技を「冷酷無比な批評家」からダメ出しされることで、かえって自分の反省点、改善点が分かります。
そのことを糧にして、自己研鑽に励み、自己の成長に繋げることで、ステップアップのいい機会と捉えます。
しかし、あがり症の人にとって「ダメ出しの嵐」をくらうことは、ステップアップのいい機会どころか、徹底的に自己評価を下げることになります。
誰しも、自己評価を下げられるようなことはしたくありません。
まして、対人恐怖症の人はそもそも自己評価が低いものです。
これ以上自己評価が下がってしまうことは、自尊心が崩壊してしまうような恐怖を覚えます。
実際には、発表会やプレゼン、結婚式の披露宴で観客や出席者から「ダメ出しの嵐」をくらうことはありません。
所詮素人のすることなので、「生温かい目で見守る」か、「無関心」がほとんどです。
あなたも観客の立場になって考えれば、分かることだと思います。
*プレゼンだけは「内容が全て」ですが、大事なことは中身であって、声の大きさや話し方ではありません。
対人恐怖症の治療
上記のように、あがり症を治すためには対人恐怖症を治し、「他人は私にダメ出ししない」という認識を脳に植え付けないといけません。
具体的なやり方としては、ものごころついた時から現在に至るまでの「両親との関係であったイヤな出来事リスト」を、クライアントに作成して提出してもらいます。
その「イヤな出来事リスト」にリストアップされたトラウマの一つずつを、心理療法で癒していきます。
なぜ、トラウマがいつまでも私たちの記憶にこびりついているかというと、「悲しい」「悔しい」「頭にくる」「みじめだ」「恥ずかしい」「怖い」等の「辛い感情」がセットになることで、「長期記憶」として人間の脳に固定されるからです。
しかし、「辛い感情」を癒すことで、トラウマは「ただの過去」になります。
「ただの過去」は、「短期記憶」として人間の脳に認識され、やがて忘れられていきます。
どんなに辛い過去の出来事であっても、思い出すことが無くなれば、現在の私たちに悪影響を与えることもありません。
トラウマを「ただの過去」に変えた後は、「他人は私にダメ出しをしない」「両親は冷たい人達だったけど、世の中の人全てが冷たい訳ではない」「失敗したって、それが私の価値を下げる訳ではない」という新しい考えを脳に植え付けます。
すると、他人が怖くなくなり、また失敗を恐れなくなることで、発表会やプレゼン、結婚式の披露宴等の場に立っても、必要以上に緊張しなくなります。
そして、あがり症が治ります。
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