私が定位脳手術に大反対する理由
私が定位脳手術に大反対する理由
私は、自分のひどいあがり症・・・手足はガクガクブルブル震え、全身から滝のように流れる大量の発汗、口から心臓が飛び出しそうなほどの激しい動悸、強い不安感、殺されそうな恐怖感、ど忘れ、声が上ずってひっくり返る等の症状の全てを、自力で開発した心理療法で完治しました。
そして、その経験を基に、心理療法であがり症、フォーカル・ジストニア、書痙、痙性斜頸に悩む方を治療しています。
当然、私は定位脳手術に反対の立場です。
私が定位脳手術に反対する1番の理由は、フォーカル・ジストニアはあがり症と同じで心因性の症状であり、したがって心理療法で治すことが自然であり、かつ正しいものだという信念があるからです。
2番目は、「10人に1人が失敗し、15人に1人が再発する」という、定位脳手術が100%安全で確実なものではないことです。
定位脳手術の失敗による後遺症
ここで言う「失敗」とは、「フォーカル・ジストニアが治らなかった」という意味だけではありません。
「失敗」とは、「治らなかったどころか、深刻な後遺症が出てしまった」という意味も含まれています。
ある人は、定位脳手術の後遺症で呂律が回らなくなりました。
また、ある人は何もないところで足がもつれるようになり、すぐに転んでしまうようになりました。
その結果、日常生活では杖が手放せないようになりました。
このような後遺症が出てしまっては、演奏活動どころではありません。
また、医師によると、「術後3ヶ月以内に再発が無ければ完治」としているようです。
つまり、4ヶ月以降に再発した人は「15人に1人」にカウントされていない可能性があります。
もっと長いスパンで考えれば、再発率は更に高くなる可能性があります。
実際、ある人は右手の書痙のために定位脳手術を受けたところ、手術から2年後に、今度は左手に書痙の症状が出るようになってしまいました。
この人は、右手の書痙こそ治ったものの、足がもつれるという深刻な後遺症が出てしまいました。
しかも、この人の職業はダンス講師です。
ダンス講師の足がもつれてしまっては、仕事どころではありません。
確かに、「右手の書痙は治った」という事実だけ見れば、定位脳手術は成功した、と言えるでしょう。
しかし、定位脳手術から2年後に、今度は左手に書痙の症状に襲われ、かつ後遺症に悩まされるようになったまま・・・という状況では、果たしてこの人は定位脳手術を受ける必要があったのでしょうか?
フォーカル・ジストニアの原因
フォーカル・ジストニアの原因は「完璧な演奏ができなかったら、自分の価値は失われる」という恐怖です。
脳の中の「扁桃体」という部位が、この恐怖と楽器演奏をイコールだと判断します。
そうすると、「危険だから、逃げなければいけない!」と判断し、脳内神経伝達物質のバランスが乱れます。
たとえば、
・セロトニンが不足する。
・ノルアドレナリンが過剰分泌される。
・アドレナリンが過剰分泌される。
・ドーパミンも分泌される。
・ドーパミンが過剰分泌されることで、相対的にアセチルコリンとのバランスが乱れる。
これらの神経伝達物質のバランスが崩れたことが、フォーカル・ジストニアの原因だと私は思います。
フォーカル・ジストニアの再発原因
手術を受けて完治しても、また「愛される価値が失われる恐れ」に直面すれば、再発率は100%だと思います。
このように、手術の失敗による深刻な後遺症や、再発の可能性を考慮すると、私が定位脳手術に大反対している気持ちもお分かりいただけることでしょう。
私のクライアントは、表向きは「フォーカル・ジストニアを治したい」という動機でカウンセリングを受けられます。
しかし、クライアントの100%と言っていいほどの人が「自分で自分を好きになれない苦しみや辛さ」をカウンセリングの場で訴えてきます。
今まで誰にも打ち明けることができなかった苦しみを分かってくれる人にやっと巡り合えた・・・そんな安堵の気持ちからか、カウンセリング中に泣き出してしまうクライアントも珍しくありません。
フォーカル・ジストニアの原因は、この「自分を好きになれない苦しみ」でもあります。
実際、私がカウンセリングしたクライアントでACEスコアが0点の人は一人もいませんでした。
当然、定位脳手術では「自分を好きになれない苦しみ」を救うことはできません。
たとえ定位脳手術でフォーカル・ジストニアが治ったとしても、「自分を好きになれない苦しみ」には、ずっと苦しめられることになるのです。
「10人に1人」の、ロシアンルーレットのような定位脳手術に賭けるか、「自分を好きになれない苦しみ」から永遠に解放され、その結果としてフォーカル・ジストニアが完治するか・・・答えは明らかだと思います。
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「自分を好きになれない苦しみから解放されたいです・・・」
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