あがり症の薬ーベンゾジアゼピン系抗不安薬
あがり症の薬ーベンゾジアゼピン系抗不安薬
私は自分のひどいあがり症を治すために、心療内科を受診したことはありません。
なぜなら、鬼のような負けず嫌いだった私は、「心療内科を受診したら、自分の負け」だと信じていたからです。
そのため、「意地でも、心療内科なんか受診なんてするものか!」と思っていました。
近年、あがり症は「社会不安障害」の一種のようにみなされ、心療内科を受診するよう、製薬会社が盛んに広告を出しています。
私見ですが、どんなにひどいあがり症であっても、心療内科を受診する必要は無いと思います。
なぜなら、あがり症はカウンセリングとセラピーで改善することが可能だからです。
そうは言っても、心療内科を受診するとどのような薬が処方されるのか、知識として仕入れておくのは損はないと思います。
そこで、あがり症の人に処方される薬であるベンゾジアゼピン系抗不安薬、SSRI系、β遮断薬系の薬について紹介したいと思います。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬がどのような薬かと言うと、
脳内の抑制性神経伝達物質であるGABA(gamma-aminobutyric acid:γ-アミノ酪酸)が作用するGABA受容体は抗不安、催眠・鎮静などに深く関わり、GABA受容体はベンゾジアゼピン(BZD)受容体と共に複合体を形成している。
BZD受容体が刺激を受けるとこの複合体に塩化物イオン(Cl−)が流入し、脳の興奮が抑制され抗不安作用や催眠・鎮静作用などがあらわれる。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬はBZD受容体に作用しこの受容体に結合することでGABAの活動を高め、抗不安作用や催眠・鎮静作用などをあらわし不安障害や心身症などの諸症状を改善する。
GABA(γ-アミノ酪酸)とは、「成熟した中枢神経系における主要な抑制性神経伝達物質」のことだそうです。
要するに、「抑制性神経伝達物質であるGABAの作用を強めることで、神経細胞の興奮を鎮める薬」がベンゾジアゼピン系抗不安薬と言うことらしいです。
抑制する働きがある神経伝達物質の作用を強める・・・
なんのこっちゃ?って感じですが(笑)、
頭の中でぼんやりイメージすると、「 あがり症の不安を『抑え込む力』を さらにグイグイと強めること」のようです。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬の副作用
ベンゾジアゼピン系抗不安薬は以下の副作用が 報告されているようです。
- 眠気、めまい、ふらつき、脱力感、食欲不振、低血圧
- そして、薬そのものに依存性がある。
- 手の震えや体のこわばり、突然死の原因になる。
- 飲み続けていくうちに、効果が無くなる。
- 効果が無くなることで不安に駆られ、 さらに薬を飲み過ぎてしまう。
この悪循環が、いわゆるオーバードーズの原因の1つのようです。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬の離脱症状
さらに、減薬をすると、
- うづきと痛み
- 動揺また落ち着かない
- アカシジア(座ったままでいられない、じっとしていられない)
- 不安、恐怖とパニック発作もありうる
- かすみ目
- 胸痛
- 離人症
- 抑うつ(深刻となりえる)、自殺念慮もありうる
- 現実感喪失
- 下痢
- 瞳孔拡大
- めまい
- 複視
- 口渇
- 不快(英語版)
- 電撃の感覚
- 血圧の上昇
- 疲労と衰弱
- インフルエンザ様症状
- 胃腸の問題
- 聴覚障害
- 頭痛
- 火照りや寒気
- 嗅覚過敏
- 高血圧
- 入眠時の幻覚
- 心気症
- 触覚に対する過敏
- 音に対する過敏
- 頻尿
- 優柔不断
- 不眠症
- 集中力低下
- 記憶と集中の障害
- 食欲不振と体重減少
- 金属味(味覚の問題)
- 軽度から中等度の失語
- 気分変動
- 筋けいれん、筋肉痛、筋攣縮
- 吐き気と嘔吐
- 悪夢
- しびれとうづき
- 強迫性障害
- 痺れ
- 偏執病
- 止まっているものが動くような知覚
- 汗
- 羞明(光で目が痛い)
- 起立性低血圧(立ちくらみ)
- 反跳性REM睡眠
- むずむず脚症候群
- 音がいつもより騒がしい
- 凝り
- 味覚と嗅覚の障害
- 頻脈
- 耳鳴り
- 振戦(ふるえ)
- 視覚障害
- 角質減少
ベンゾジアゼピン系抗不安薬の急な、あるいは急速すぎる中止は、さらに以下の重篤で不快な離脱症状となる可能性があります。
- 緊張病、死に至ることもある
- 混乱
- 発作、死に至ることもある
- 昏睡
- 振戦せん妄
- 妄想
- 幻覚
- 熱中症
- 殺人願望
- 躁病
- 悪性症候群様事象
- 器質性脳症候群
- 心的外傷後ストレス障害
- 精神病
- 自殺念慮
- 自殺
- 叫ぶ、投げる、壊す、他害する
- 暴力
- 筋萎縮、筋減少
あがり症治療で心療内科を受診する前に
離脱症状や副作用の数々を見ていると、あがり症の強い不安感を抑えることの引き換えに、様々な危険な代償を払わなくてはならないようです。
厚生労働省は、2014年10月から、 ベンゾジアゼピン系抗不安薬の規制を始めたそうです。
このサイトをご覧になっている方で、心療内科の受診を検討されている方は、どうか思い留まってください。
結局のところ、薬物療法は対症療法にしか過ぎません。
薬を飲んでも、あがり症が完治することはありません。
このことは、自力でひどいあがり症を治した私だから言えることです。
「抗不安薬なんかに頼りたくない!」
「あがり症の不安をなくしたい・・・」
「あがり症を自然に治すことはできないの?」
そう思ったら、お気軽にお問合せください。