R氏のあがり症治療記録・1

2020年1月8日

会社によっては、毎週月曜の朝礼でスピーチを求められるところもあります。

クライアントのR氏(40代、男性)が勤務する会社も、そのような持ち回りスピーチを社員に課していました。

R氏は、新入社員の初めての「新入社員あいさつ」で、自分がひどいあがり症だということに気が付かれました。

その後、あがり症は年々悪化する一方でした。

症状としては、
・手足の震え
・声のうわずり
・激しい動悸
・大量の発汗
があります。

R氏は「場数を踏めばあがり症が治る」をうたい文句にしている、あるあがり症治療の機関で治療を受けましたが、余計に症状が悪化しました。

困ったR氏は、数年前から、抗不安薬を服用するようになりました。

しかし、その抗不安薬には「異常な眠気」という副作用がありました。

会社で異常な眠気と戦いつつ仕事をするのは、しんどいものです。

困り果てたR氏は、私のもとを訪れました。

R氏のあがり症の原因についてカウンセリングしたところ、原因は「子どもの頃の体罰」にあることが分かりました。

R氏はサッカー部に所属していたのですが、そこの監督が、取るに足らないことでR氏に日常的に暴力をふるったり、罵声を浴びせたりしたのです。

これは、立派な児童虐待です。

このときに受けた心の傷が、会社でスピーチをするときに甦り、ひどいあがり症の症状となって現れたのです。

そこで、私はR氏のあがり症を治療するため、このときに受けた心の傷をマジック・セラピーで癒すことにしました。

R氏は、暴力を奮った監督のことを恨んでいるはずです。

ですが、R氏は「監督に対して、何の感情も湧いてこない」とおっしゃいました。

これはどういうことかというと、「そのときの記憶は辛すぎるから、思い出したくない」と、脳がブロックをかけているためです。

脳は、限界を超えた辛い思いをすると、そのときの記憶をまるごと封印しようとします。

R氏の場合も、「辛すぎる記憶」として、脳が過去を思い出すことにブロックをかけていたのです。

こういうことは、決して珍しいことではありません。

このような場合は、他の原因を治療します。

治療が進み、クライアントの心の傷が回復するにつれ、ある日突然「過去の記憶」が甦ります。

今回も、ひとまず「監督による暴力事件」のことは、次回以降の治療に持ち越すことにしました。

さらに深くR氏とカウンセリングを重ねたところ、「監督に暴力を奮われている自分の姿を、友達に見られるのが恥ずかしい」という思いがあることが分かりました。

小さな子供だって、充分にプライドはあります。

R氏は、「暴力を奮われている自分の姿を、友達に見られていること」に対する恥ずかしさやみじめさを感じていました。

私は、この恥ずかしさやみじめさがR氏のあがり症の原因の一部だと推測しました。

そこで、この「恥ずかしさやみじめさ」をマジック・セラピーで癒しました。

すると、R氏の記憶の中から、「恥ずかしさやみじめさ」は消えてなくなりました。

まだR氏のあがり症の原因全てを癒した訳ではありませんが、これでR氏のあがり症の症状は劇的に良くなるはずです。

R氏の次回のスピーチまでまだ1ヶ月以上あるとのことでしたので、今回はこれでしばらく様子を見ることにしました。

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