あがり症の原因ー5つの失敗
あがり症の原因-5つの失敗
あがり症の原因―と問われると「恥ずかしがり屋だから」という答えが返ってくると思います。
それも正しいかもしれませんが、「では、なぜ恥ずかしがり屋になったのか?」と問われると、正確に答えられる人はいないと思います。
自分自身の経験と、カウンセリングでのクライアントとのお話から、あがり症の原因が分かってきました。
1.国語の朗読での失敗
国語の授業で先生から教科書の文章を朗読するように指名されることがあります。
幸いなことに、私は朗読での失敗の経験はありません。
どちらかというと、朗読は得意分野だったと思います。
しかし、朗読が苦手な生徒は、突然指名されたことで慌てふためいてしまうことがあります。
緊張してしまったことでつっかえたり、声が震えたりします。
そのとき、その失敗をクラスの皆から笑われて気まずい思いをします。
2.音楽の授業でリコーダーの失敗
子どもの頃にピアノを習ったことが無かったので、楽譜は読めないし、子どもの頃の私は音楽の授業が大嫌いでした。
合唱は皆に合わせて適当に歌っていればいいですが、リコーダーはそうもいきません。
日常生活でほとんど縁が無いリコーダーを、みんなの前で吹くように先生から指名されることがあります。
そのとき、緊張してしまい、変な音を出して吹きそこなって失敗します。
その失敗をクラスの皆からドッと笑われてしまい、恥ずかしい思いをします。
もちろん私も失敗してしまい、「ピョ~」っと、何ともマヌケな音を出してしまいました。
その失敗を思いっきり皆から笑われて、とても恥ずかしい思いをしました。
3.運動会のリレー競技での失敗
運動会と言えば、クラス対抗のリレー競技があります。
子どもの頃の私は運動が苦手で、音楽の授業と並ぶ、体育は「二大苦手な授業」のうちの一つでした。
体育の授業で、運動会に向けてさんざんリレー競技のバトンパスの練習をさせられます。
それにもかかわらず、本番の運動会でバトンを受けそこなって、ついでに転んでしまいます。
クラス対抗競技なだけに、クラスの皆から冷たい視線を浴びることは必至です。
私も、そのときは全身にクラスの皆からの「無言の圧力」を感じました。
こういうとき、自分のカッコ悪さに決まりの悪い思いをします。
4.学級活動での失敗
小学校や中学校では、一日の終わりに「学級活動」「ホームルーム」という活動があります。
学級活動で意気揚々と手を上げて発言したものの、意図せずに発言が滑ることがあります
学級活動で話すことは大概真面目な内容なので、発言が滑るとかえってギャップが際立ち、クラスの皆から笑われて恥ずかしい思いをします。
私も、あるとき正義感に駆られて、ルールを守らなかったクラスメイトのことを告発しようとしました。
しかし、普段やり慣れないことをやろうとしたせいで、発言が思いっきり滑ってしまい、クラスの皆からドッと笑われてしまい、とても気恥ずかしい思いをしました。
「言わなきゃ良かった・・・」と、後悔の念に駆られたことは言うまでもありません。
5.学芸会での失敗
運動会と並ぶ学校行事のメインイベントに学芸会があります。
大人しく内気で引込み思案な子供が、先生の配慮でセリフがある役を与えられることがあります。
しかし、緊張のあまりセリフを忘れてトチってしまうことがあります。
そんなとき、「お前の失敗のせいで、あんなに練習した劇が台無しじゃないか」と、クラスの皆から冷たい視線を浴びることがあります。
こういうとき、自分でも自分の不甲斐なさに落ち込みます。
普段は大人しくて引っ込み思案だった子どもの頃の私は、あるとき何を血迷ったのか、演劇部に入部しました。
そして、記念すべき第1回公演で、思いっきりセリフを忘れてしまい、観客からドッと笑われてしまいました。
演劇部の公演は、それが最初で最後となりました(笑)。
これらの「思い出すだけで恥ずかしい、カッコ悪くて情けない経験」に一つや二つ、覚えはありますか?
学校行事ではよくあることですが、人によってはこのときの経験がトラウマとなることがあります。
こういう思いは、できるだけ早く忘れてしまいたい、と思うのが人情です。
ところが残念なことに、脳の中から辛い記憶を完全消去することはできません。
これらの悲しい感情を伴った記憶は、脳の中にしまわれます。
大人になり、プレゼンやスピーチ、趣味の歌や楽器演奏で「たくさんの人を前にしてステージに立つ」機会がやってきます。
そのとき、脳の中にしまわれていた悲しい過去が甦ります。
脳の中の「扁桃体」という部位が、「たくさんの人を前にしてステージに立つ」ことは、「悲しい、情けない、恥ずかしい、みじめな思いをさせられる」と同義語だと判断します。
すると、「たくさんの人を前にしてステージに立つ」ことは危険な行為だと判断し、全身に向かって「逃げろ!」という指令を出します。
この指令を全身がキャッチすると、副腎髄質からアドレナリンやノルアドレナリンが分泌されます。
そして、交感神経が優位になって、心臓の激しい動悸、大量の発汗、手足の震え、ど忘れといった、あがり症の諸症状が現れます。
したがって、あがり症の治療は過去に感じた「悲しい、恥ずかしい、きまりが悪い、みじめだ」と言った悲しい感情を心理療法で癒すことです。
そうすれば、扁桃体が「たくさんの人を前にしてステージに立つ」ことは危険な行為ではないと判断します。
その結果として、あがり症が治ります。
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