場数を踏んでもあがり症が治らない理由
場数を踏んでもあがり症が治らない理由

ひどいあがり症・発声時頸部ジストニアを自力で開発した心理療法で克服した心理カウンセラーの川畑律子です。
自分がひどいあがり症だと発覚したとき、誰もが一度は試す方法が「場数を踏んで治す」だと思います。
でも、場数を踏んで治ったという人の話を聴いたことがないし、それどころか悪化の一途をたどっただけ・・・という人も多いのではないでしょうか?
場数を踏んでもあがり症が治らない理由は、
「あがり症の原因は、『ありのままの自分を愛していないことや、過去のトラウマからくる、対人恐怖症・失敗恐怖症・視線恐怖症』なので、場数を踏んでも意味がないから」
です。
場数を踏めばあがり症は治る?

そもそも、治そうとして悪化の一途をたどるのなら、「場数を踏んで治す」方法は間違っているということですよね。
「場数を踏めばあがり症が治る」理論の根拠は、おそらく
「ステージに立って一身に注目を集めるのに、普通の人は慣れていないからあがる」
「だから、場数を踏んでステージにたつことに慣れれば、あがらなくなるはずだ」
といったところだと思います。
そういう私も、自身がひどいあがり症だと発覚したとき、せっせと7年も場数を踏んでいました。
しかし、良くなるどころか、悪化の一途をたどりました。
最後の方には、ステージ上で失神しそうなほどに緊張しました。
この段階でようやく、
「いくら場数を踏んでも悪化する一方だったら、ひょっとして場数を踏む方法って間違っているということ?」
という驚愕の事実に気が付きました。
あがり症を治す心理療法

「これじゃダメだ」と愕然とした私は、心理学や脳神経科学、カウンセリングやセラピーに関する本を手当たり次第に読み漁りました。
そして、アメリカ由来の「フォーカシング」というセラピーを練習していたときにマジックセラピーを開発したのです。
2010年の記録的猛暑の中、エアコンをつけていてもボーっとしてしまうほどの暑さがかえって功を奏したのか、突然「降りてきて」「ひらめいて」「あっという間に」頭の中でセラピーが完成しました。
完成してほどなく、別のセラピーの講習会で知り合った人に試してもらったところ、「こんなに簡単なのに?まるで、『魔法のようにトラウマが消えたわ』」という感想を仰って下さったのです。
そして、そのセラピーを「魔法のようにトラウマが消えた」という、セラピー体験者第1号の方の感想にちなんで「マジックセラピー」と名付けました。
そのマジックセラピーを使うことで、あがり症の原因が過去のトラウマからくる失敗恐怖症、対人恐怖症、視線恐怖症、あがり恐怖症の4つだということが分かりました。
そして、セラピーを使って過去のトラウマを癒していくうちに、どんどんあがり症の症状が改善されていきました。
それとともに、なぜ場数を踏めば踏むほどあがり症が悪化していったのかが分かったのです。
あがり症の人の脳の中で起きていること

私たちあがり症の人がたくさんの知らない人たちの前に立つとき、脳の中の「扁桃体」というアーモンド状の神経集合体がすばやく過去のデータと現在の状況を照らし合わせます。
そのとき、失敗恐怖症、対人恐怖症、視線恐怖症、あがり恐怖症を持つ人の扁桃体は、「たくさんの知らない人たちの前で歌ったり、スピーチをしたりすることは非常に危険だ」「危険だから、逃走か闘争をしなければならない」と判断します。
すると、「逃走か闘争に備えて、身体を作り変えろ!」という指令を出します。
その指令を受け取った身体は、副腎皮質や副腎髄質からストレスホルモンを分泌させます。
そのストレスホルモンの影響で自律神経が乱れ、交感神経が優位になり、さまざまなあがり症の諸症状に襲われます。
手足がガクガクブルブル震えたり、心臓が激しくバクバクしたり、大量の汗が出たり、ど忘れしたり、声が上ずってひっくり返ったり、強い不安感や恐怖感に襲われたりします。
こうして、突然のあがり症の諸症状に見舞われた人は、強いショックを受けることになります。
自分のことをみじめだと思ったり、情けなくなったりして、消えてしまいたくなって自己嫌悪に陥ったりします。
すると、扁桃体はますます「たくさんの知らない人たちの前で何かのパフォーマンスをすることは、危険極まりない行為だ」と判断します。
本人が「場数を踏めば、あがり症が治るだろう」とせっせと努力すればするほど、扁桃体は「危険だから、さらにストレスホルモンを分泌させよう」と判断します。
こうして、場数を踏めば踏むほどあがり症が悪化していくのです。
まとめ
あがり症を治そうとして場数を踏めば踏むほどあがり症が悪化していくという、皮肉なメカニズムがお分かり頂けたでしょうか?
もし、あなたがせっせと場数を踏んであがり症を治そうとしているのなら、逆効果でしかないので、すぐに止めた方がいいと思います。
その代わり、「私が他人を信じられなくなったり、他人の視線が怖くなったり、失敗することが怖くなった原因ってなんだろう?」と自問自答してください。
答えが見つかったら、その原因を優しくマジックセラピーで癒してあげてください。
やればやるほど、ありのままの自分を好きになり、あがり症が改善していくのが分かるようになりますよ。
「ありのままの自分を好きになれるようになりたい!」とお思いの方は、コチラからお問い合わせくださいね。
