フォーカル・ジストニアの症状ー早朝効果
フォーカル・ジストニアの症状ー早朝効果
フォーカル・ジストニアの不思議な症状の一つに、
「早朝や、起き抜けに演奏するときは、指が普通に動く」
というのがあります。
この現象を「早朝効果」と呼ぶそうです。
私は初めてこの話を聞いたとき、
「起き抜けの方が指の関節が柔らかいってこと?」
「むしろ、起き抜けの方が指の関節が硬いような気がするけど?」
「というより、起き抜けに演奏なんて、頭が寝ぼけている状態なのに、よく楽器の演奏なんてできるなぁ?」
と、不思議に思いました。
フォーカル・ジストニアの原因ー過剰なストレスによる神経伝達物質のバランス異常
私が考えるフォーカル・ジストニアの原因は、現在2つあります。
1. ラットの「致死率50%の行動性ストレス」「拘束ストレス」の、3乗のストレスがかかり、アドレナリンとノルアドレナリン が過剰分泌する。
↓
2. 随意運動を制御する、ドーパミンとアセチルコリンのバランスが狂う。
↓
3. フォーカル・ジストニアが発症する。
または、
1. ラットの「致死率50%の行動性ストレス」「拘束ストレス」の、3乗のストレスがかかり、アドレナリンとノルアドレナリン が過剰分泌する。
↓
2. アドレナリンの過剰分泌による作用により、血流が増えすぎたり、筋肉が緊張し過ぎる。
↓
3. フォーカル・ジストニアが発症する。
です。
脳神経内科的には「ドーパミンの過剰分泌」が、フォーカル・ジストニアの原因だと考えているようです。
しかし、私はこの「早朝や起き抜けの演奏では、指が普通に動く」という現象に関しては、アセチルコリンが関係しているのでは?と思います。
アセチルコリンが関係している病気の一つに、「重症筋無力症」があります。
そして、この「重症筋無力症」の症状の一つに、フォーカル・ジストニアの「早朝効果」と同じ症状が見られるからです。
また、朝起きたときには何も異常がなかったのに、夕方になると筋力が弱くなるというように、1日の中でも症状が変動(日内変動)したり、日によって疲れやすさが違う(日差変動)のが大きな特徴です。出典:重症筋無力症の症状
アセチルコリンの特質に、「夜間から早朝にかけて分泌される」というのがあります。
冠攣縮性狭心症発作は,特に夜中から早朝にかけての安静時に起こりやすいことが知られており,その発作の67%は自覚症状のない無症候性発作であることが報告されています1)。労作や運動によって誘発されることもありますが,その頻度をみると早朝のほうが起きやすく,日中にはかなりの運動を行っても誘発されにくいことが報告されています。
これは, 夜間から早朝にかけての安静時には副交感神経が亢進し,その末端からアセチルコリンが分泌されることが関係しています。
つまり、早朝は残り香ならぬ、「残りアセチルコリン」が分泌されていて、その間だけは、ドーパミンとアセチルコリンのバランスがgood balanceに戻るのでは?と思うのです。
私は脳神経科学者でも何でもないので、単なる推測に過ぎません。
残念ながら、この「早朝効果」は、フォーカル・ジストニア発症時の、症状が軽い初期段階においてのみ見られる症状のようです。
重症化すると「早朝効果」も見られなくなるようです。
フォーカル・ジストニアの発症原因ー過剰なストレス
いずれにしても、フォーカル・ジストニアの発症原因は「過剰なストレスによる、随意運動を制御するドーパミンとアセチルコリンのバランス異常」だと思います。
認知行動療法では、フォーカル・ジストニアを発症させるほどの「過剰なストレス」を癒すことはできません。
認知行動療法は、たとえるなら、「潮干狩り」のようなものです。
ド素人でも、スコップとバケツを片手に、浜辺のアサリやハマグリ程度ならすくえることができるでしょう。
しかし、フォーカル・ジストニアの発症原因である「過剰なストレス」は、タイタニック号が沈む深海のような、潜在意識の底にあります。
太陽の光も差さないような深海には、何の装備も持たないド素人は到達できません。
潜在意識の奥底にあるフォーカル・ジストニアの発症原因を癒すためには、浜辺のアサリやハマグリしかすくえない認知行動療法では絶対に不可能です。
フォーカル・ジストニアを完治するためには、私自身のひどいあがり症、発声時頸部ジストニア、書痙を完治した心理療法ーマジックセラピーが絶対に必要です。
関連記事:マジックセラピーとは?
このマジックセラピーは、たとえるなら、深海へ到達するための潜水艇のようなものです。
ド素人が容易には到達できない深海(=潜在意識の奥底)へは、潜水艇に乗るしかありません。
それと同様に、潜在意識の奥底へ到達し、フォーカル・ジストニアの発症原因を癒すためには、マジックセラピー以外にあり得ません。
人間が潜水艇に乗ってマリアナ海溝へ到達するまでには約2時間かかるそうです。
深海へ到達するのに時間がかかる理由は、水圧があるからです。
人間が潜在意識の奥底へ到達するのにも、時間がかかります。
水圧と同じで、潜在意識の奥底へ到達するのにも、「心理的抵抗」という壁があるため、容易には到達できません。
この「心理的抵抗」の壁は、何重にも築かれた分厚い壁で出来ています。
そして、この壁は丁寧に心の傷を癒すことによってのみ、一枚ずつ取り除かれていきます。
この壁がどれほどの厚さなのかは、人によって違うので何とも言えません。
壁は奥に行くにしたがって、どんどん分厚く、心の傷が深いものになります。
心の傷が深い核心部分のものは、癒すのにも時間がかかります。
そのため、この核心部分にたどり着くのにもかなりの時間がかかります。
フォーカル・ジストニアの治療を開始してから元通りに演奏できるようになるまで、一般に3~4年かかります。
この3~4年という長い時間が、心の傷が深い核心部分にたどり着くための時間だと思ってください。
関連記事:ギタリストNさんのフォーカル・ジストニア治療結果報告
「原因」と「治療法」は、対になっているべきだと私は思います。
自力で開発した心理療法でひどいあがり症、発声時頸部ジストニア、書痙を完治した私から言わせれば、確実に核心部分にたどり着くための心理療法:マジックセラピー以外のフォーカル・ジストニアの治療法は、この世に存在しません。
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