本態性振戦ー声の震えが治った理由

本態性振戦―声の震えが治った理由

本態性振戦の症状の1つに「声の震え」があります。

声楽を習っていたとき、ひどいあがり症に悩まされていました。

手足がガクガクブルブル震え、額から滝のような大汗、激しい動悸、声が上ずってひっくり返る、声がかすれる、しっかり暗譜した楽譜をキレイにど忘れ、観客の視線が怖くてたまらない視線恐怖症・・・など、ありとあらゆる症状に悩まされていました。

どの症状もイヤでしたが、中でも声楽の発表会だけに、「声が上ずってひっくり返る」「声がかすれる」などの症状は、肝心の歌が台無しになってしまうので本当にイヤでした。

特に、高音を出そうとすると、どこからか「見えない手」がヌ~っと出てきて、私の喉元をグイグイと締め上げるような感覚に襲われて、高音を出せなくなりました。

その反対に、低音を出そうとすると、途端に息をコントロールできなくなって声が割れてしまい、ガラガラ声になります。

先生からは「練習不足だ」と怒られるし、発表会では毎回散々な目に遭いました(泣)。

あがり症になる人の特徴

あがり症になる人は、真面目で几帳面、完璧主義の人が多いと聞きます。

もちろん、私も真面目で几帳面、完璧主義でした。

ですから、毎日誰よりも真面目に声楽を練習していました。

そんな私が、発表会ではあがり症のせいでガタガタになるのですから、どれほど私が悔しい思いをしたか、お分かりになることでしょう。

しかし、あがり症を治した今だから分かるのですが、「誰よりも完璧に歌わなければいけないというこの思い込みこそが、私の声を上ずってひっくり返らせ、かすれさせてガラガラ声になった原因でした。

「誰よりも完璧に歌わなければいけない」と思うと、それだけ「絶対に失敗できないぞ」と、強く緊張します。

脳がこの緊張をキャッチすると、ストレスがかかります。

そして、副腎髄質からストレスホルモンであるアドレナリンとノルアドレナリンが放出されます。

このストレスホルモンの影響を受けて、気道が狭まります。

思いっきり高い音や低い音を発声しようとするときは、それだけ「失敗できないぞ」「しっかり発声しなきゃ」と、普段より緊張しますよね。

すると、緊張した分だけストレスホルモンが放出されて、気道が狭まり、ガラガラ声になったり、声が上ずってひっくり返ったりします。

「間違えないで、しっかり歌わなきゃ」と思えば思うほど緊張して気道が狭まり、声の震えにつながるという、何とも皮肉なメカニズムでした。

自力で開発した心理療法であがり症を治療していく過程で、「いつも完璧でなければいけない」という強い思い込みこそが、私のあがり症の原因だということが分かりました。

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ありのままの自分を肯定できていなかった私は「いつも完璧でいることが、自分の価値を高めてくれる唯一の手段だ」と思いこんでいたのです。

しかし、人間のすることですから、どんなに完璧を目指そうとしても、ときにはミスもするし、失敗もします。

私はミスや失敗をする度毎に、自分の価値が削られていくような恐怖を覚えていました。

心理療法で自分の潜在意識を探ったところ、私は常にこの恐怖に支配されていたことが分かりました。

そして、この恐怖こそが私のあがり症の原因であり、私の生きづらさの全ての源だったのです。

そこで、心理療法で「絶対に間違えてはいけない」「いつも完璧に歌わなければいけない」「失敗した自分に価値はない」という思い込みを癒したところ、必要以上に緊張することは無くなりました。

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緊張しなくなることでストレスホルモンも放出されなくなり、気道が狭まることも無くなりました。

そして、本態性振戦の一つである声の震えが治ったのです。

考えるまでもない話ですが、音大を卒業した訳でもなく、大人になってから習い始めた声楽で、どれだけ完璧に歌おうとしても、初めからムリな話だったのです。

大人の趣味なのですから、何よりも自分が楽しむことが先ですよね

それに、「音楽」って、「音を楽しむ」という意味です(笑)。

「誰よりも完璧でなければいけない」という思い込みを心理療法で癒すことで、ようやく「自分が楽しんで歌う」ということが分かりました。

そして、声の不調から解放され、のびのびと歌うことで、ついにファン第1号を獲得するに至ったのです。

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声の震えで悩んでいるあなたも、まずは心を解放してみてくださいね。

そして「いつも完璧でなければいけない」という強い思い込みに支配されていないかどうか、自分の潜在意識を探ってみてください。

あなたが「ダメな部分を含めたありのままの自分に価値がある」と心から思えるようになったとき、本態性振戦の一つである声の震えから解放されます。

まとめ

■ 声の震えは、「いつも完璧でなければいけない」という強い思い込みからくる緊張が原因。

■ 緊張することでストレスホルモンが放出され、その影響で気道が狭まり、声が震えて上ずってひっくり返ったり、ガラガラ声になったりする。

■ 心理療法で「いつも完璧でなければいけない」という思い込みを癒すことで緊張しなくなり、本態性振戦の一つである声の震えが治った。

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