RADWIMPS山口智史さんとフォーカル・ジストニア
RADWIMPS山口智史さんとフォーカルジストニア
皆さんは、アニメ映画「君の名は。」をもうご覧になりましたか?
私はまだ見ていませんが、すごい興行収入のようですね。
その「君の名は。」の主題歌を担当していらっしゃるRADWIMPSさん。
キャッチ―なメロディーと覚えやすいフレーズに、思わず口ずさみたくなりますね。
RADWIMPSのファンならご存知でしょうが、ドラマーの山口智史さんがフォーカル・ジストニアにより2015年9月23日に無期限休養に入られました。
引用:「RADWIMPSドラム山口智史 神経症悪化で無期限休養へ」
RADWIMPSのサイトによると、
「2009年のイルトコロニーTOURのライブ中、バスドラムを鳴らす右足が、本人の意思とは異なり、動かせなくなる瞬間がありました」
とあります。
ドラマーのフォーカルジストニアの症状としては、他にも
「スティックを持つと、手が固まってしまう」
という症状があります。
このように、ドラマーに現れるフォーカルジストニアの症状として、
・バスドラムを鳴らす右足が動かなくなる
・リズムを刻むスティックを持つ手が固まってしまう
というのがあります。
随意運動と不随意運動
ところで、皆さんは「随意運動」と「不随意運動」という言葉をご存知ですか?
意味はそれぞれ、「意志を伴う運動」と、「意志を伴わない運動」ということです。
「随意運動」には、楽器演奏やスポーツ、歩行などがあります。
たとえば、「出来上がったお料理をテーブルに並べるために、食器棚の中にあるお皿を取り出そう」と思ったとき、
①食器棚の前に行く
②食器棚の扉を手で開ける
③お皿を取り出す
という、3段階の動きがあります。
これも、初めに「食器棚からお皿を取り出す」という意志があって、それに運動①~③が伴う「随意運動」の一つです。
「不随意運動」とは、心臓の鼓動や肺呼吸、胃腸の消化等、私たちの意志を伴わなくても、身体が生命維持のために自動で行ってくれる運動です。
楽器演奏は、初めに「○○という曲を演奏したい」という意志があって、「ピアノを弾こう」「ギターを弾こう」「バイオリンを弾こう」という意志が続きます。
その後に、ピアノなら
①ピアノの椅子に座る
②楽譜をピアノの譜面台に置く
③メトロノームを動かす
④楽譜を見ながらピアノを弾く
という、4段階の随意運動が続いて、「ピアノ演奏」という随意運動が完成します。
このように、楽器演奏でも何でも、随意運動にはまず初めに「意志ありき」だということがお分かり頂けるでしょう。
ドラムだったら、まず「○○という曲を演奏しよう」という意志があって、
①ドラムセットの前の椅子に座る
②譜面台に楽譜を置く
③右手にスティックを持つ
④楽譜を見ながら、足と手でリズムを刻む
という、4つの随意運動で「ドラム演奏」が完成します。
フォーカル・ジストニアの症状が現れる箇所が違う理由
ところで、皆さんは「なぜ、同じドラマーでも『スティックを持つ右手』と、『バスドラムを踏む右足』と、フォーカル・ジストニアが現れる箇所に違いがあるんだろう?」と疑問に思いませんか?
私は、その答えは「最初に、ドラマーの意識が右手に向かうか、右足に向かうか」の違いにあると思います。
フォーカルジストニアに悩むドラマーのHさんをカウンセリングしたとき、Hさんは「右手でリズムを刻むとき、苦手意識があった」と仰っていました。
私たちも人間ですから、全てのものに「得意・不得意」があります。
得意分野は、特に意識しなくてもスムーズに行うことができます。
しかし、不得意なものには集中力を要します。
車の運転で例えると、直線道路を真っ直ぐ走る分には、あまり神経は使いません。
しかし、車庫入れが苦手な人は、車庫入れ時に集中力や神経を普段の何倍も使います。
それはなぜかというと、「苦手だから、失敗しないように」という意識が強く働くからです。
つまり、ドラマーのHさんと山口さんとでフォーカル・ジストニアの症状が現れる部位が違う理由は、Hさんは「右手でリズムを刻むのが苦手だから」、山口さんは「右足でバスドラムを鳴らすのが苦手だから」という意識の差ではないか?と思います。
華々しい活躍をしているプロの音楽家でも、全員が全員、自分の楽器演奏に自信満々という訳ではありません。
誰にだって、苦手な曲、苦手な演奏箇所があります。
そういう苦手意識を持って楽器演奏に臨むとき、アドレナリンやノルアドレナリンという神経伝達物質が分泌されます。
ノルアドレナリンは、血管を拡張し、筋肉を強張らせる働きがあります。
ノルアドレナリンの働きによって、スティックを持つ右手やバスドラムを鳴らす右足の筋肉が強張り、フォーカル・ジストニアを発症するのではないか?と思います。
したがって、私が考えるフォーカル・ジストニアの治療は、「楽器演奏に対する苦手意識を無くすこと」です。
そうすれば、ノルアドレナリンが過剰分泌されることもなく、フォーカル・ジストニアが発症することもありません。
現在山口さんは無期限休養状態とのことですが、ご本人はもちろん、バンドメンバー、ファンの皆さんもRADWIMPSへの復帰を待ち望んでいることでしょう。
私も、山口さんにフォーカル・ジストニアの原因を正しく知ってもらい、完治してもらいたいと思っています。
そして、オリジナル・メンバーでの華々しいご活躍をこの目で見たいものです。
「治療を続ければ続けるほど、フォーカル・ジストニアがどんどん悪化します・・・」
そんな悩みをお持ちの方は、無料相談からどうぞ。