フォーカル・ジストニアの新しい治療法
フォーカル・ジストニアの治療法ーtDCS
フォーカル・ジストニアの治療法として、 上智大学理工学部の准教授が、 こんな治療法を開発したようです。
http://www.natureasia.com/ja-jp/jobs/tokushu/detail/336
頭部に電極を貼り、2mAの電流を20分流すそうなのですが・・・
これを知って、「怖~い!」と思いました。
なお、この治療法はtDCSという治療法の応用らしいです。
tDCS(経頭蓋直流電気刺激)は、電極を用いて頭皮の上から軽い直流電流を流して脳の部位を刺激します。
鬱病患者や脳卒中の回復、また脳機能の向上の目的で使用されています。
tDCSはTMS(磁気刺激治療)と併用して用いられているようです。
tDCSもTMSも、1938年にイタリアで開発されたECT(電気けいれん療法)に端を発しています。
ECTは全身麻酔の後、筋弛緩剤を投与し、100Vの電流を5秒間頭部に流すことで、重度の鬱病を治療します。
しかし、ECTには以下の副作用があります。
1.認知障害(ECT直後や直前の記憶を無くす)
2.心血管系の障害(徐脈や心拍停止、血圧の低下、頻脈や血圧上昇、不整脈等)
3.躁転(躁鬱病のようにハイになること)
4.頭痛
ECTの効果に関しては疑問視する人も多く、ECT発祥地のイタリアでは禁止されています。
TMSはECTと比較すると、副作用も少ないようです。
TMSは現在厚生労働省において保険適用可の治療法として認定されていません。
自由診療扱いなので、高額な費用を負担しなければいけないようです。
フォーカル・ジストニアの原因
ここで大きな疑問が残るのですが・・・
そもそも、うつ病とは過去の両親との関係において、「私は愛されていない。私には愛される価値なんてない」という間違ったセルフ・イメージが原因となって引き起こされる病気です。
*心理カウンセラーの間では「常識」だと思いますが、精神科医の間では「鬱病はセロトニンの不足によるもの」とされています。
頭に電流流しても、セルフ・イメージは改善しませんよね?
事実、私がこれまでカウンセリングしてきたフォーカル・ジストニアに悩む音楽家達は、自分が育った家庭で、家族との間で様々な葛藤を抱えていました。
WHO(世界保健機関)のサイトにも掲載されているACEアンケートですが、このアンケートに該当しない人は一人もいませんでした。
子どもの頃から両親あるいは家族との関係で抱えた様々な葛藤により、彼らは自己評価がとても低い状態にありました。
最近の研究に拠り、子どもの頃に親から虐待を受けた人は、そうでない人と比較するとストレス耐性が極めて弱い傾向にあることが分かりました。
ストレス耐性が極めて弱いクライアント達が、仕事やプライベートで様々な転機を迎えるときがあります。
ストレス耐性が強い人達は、困難な状況を乗り越えることができます。
しかし、ストレス耐性が極めて弱いクライアント達は、困難な状況ー人によっては「取るに足らないほどの転機」を迎えると、ストレスホルモンが分泌されやすくなります。
アドレナリンやノルアドレナリンが過剰分泌されます。
セロトニンが不足し、イライラします。
ノルアドレナリンの作用で、不安感がドンドン増していきます。
実際、某脳神経外科医は、「フォーカル・ジストニアの患者さん達は、全員せっかち!」と仰ったそうです。
せっかちとは、セロトニンが不足しているということです。
また、「フォーカル・ジストニアを発症したショックで、パニック障害を併発してしまった」というクライアントが何人もいました。
パニック障害も、ノルアドレナリンの過剰分泌が原因とされています。
なお、ノルアドレナリンの作用として末梢血管収縮作用があります。
交感神経の受容体の1つであるα1受容体は、主に血管に分布しています。交感神経の興奮によりノルアドレナリンが分泌され、α1受容体に結合すると末梢血管が収縮し、末梢血管抵抗が増加して血流が減少します。
β遮断薬・α遮断薬
これらの神経伝達物質のアンバランスが、フォーカル・ジストニアという「演奏時のみ指が曲がる」という異常な症状を生み出すのではないか?と思います。
フォーカル・ジストニアの原因ー自律神経
「演奏時のみ」という異常な身体症状は、自律神経が関係しているとしか思えません。
もし、運動を司る小脳に異常があるのだとしたら、指は「一日中動かない」のが普通です。
「演奏時のみ」に異常が現れるということは、ものごとを「危険か、そうでないか」を判断する扁桃体が「楽器演奏は、危険極まりない行為だ」と判断して、ストレスホルモンを分泌させているのだと思います。
私もひどいあがり症でしたが、異常な身体症状が現れるのは「発表会のときのみ」です。
お互い気心が知れた先生とのプライベートレッスンでは、あがり症になることはありません。
どんなに発表会でガクガクブルブル、心臓バクバクしていても、ステージを降りれば異常な身体症状からは解放されます。
このように「あがり症発症のスイッチ」が素早く「オン・オフ」されることには、自律神経が関係しています。
扁桃体が「たくさんの知らない人を前にして歌うことは危険だ」と判断し、アドレナリンやノルアドレナリンを分泌させ、交感神経が優位になって自律神経が乱れ、あがり症の諸症状が現れます。
フォーカル・ジストニアも、あがり症と同様のメカニズムだと思うのです。
ギタリストが演奏再開できた理由
私が開発したマジック・セラピー・・・あがり症を治すための心理療法には、副作用は全くありません。
身体にも心にもとても優しく、セッション中、すぐに効果が現れます。
4人の演奏家は、セッションの翌日~3週間以内に、指の違和感が消失し、動かなかった指は動くようになり、出なかった声は出るようになりました。
彼らは10~30年、フォーカル・ジストニアに悩み、様々な治療法を試してきました。
しかし、「どれも、まったく効果は無かった」そうです。
治療を開始してから3年経ったあるギタリストさんは、最近「人前での演奏を再開した」という嬉しいご報告をして頂きました。
セルフ・イメージを変えることによって再び人前で演奏できるようになる喜びを、あなたも体験して頂きたいと思います。