あがり症の「不安」の正体

あがり症には、様々な身体症状があります。

 

私も、ひどいあがり症で苦しんでいたときは、様々な身体症状で苦しんでいました。

たとえば、激しい動悸、大量の発汗、手足の震え、声の上ずり、頭が真っ白になってど忘れする・・・。

 

とにかく、あがり症の人はありとあらゆる身体症状に襲われます。

中でも、1番不快だったのは「強い不安感」でした。

 

発表会の1週間前から、言い知れぬ不安感に襲われます。

そして、発表会の当日、やたら朝早く目が覚めます。

 

発表会の会場に近づくにつれ、高まる不安感と緊張感・・・。

舞台袖で出番を待つ間、不安感と緊張感はマックスになります。

 

そして、ものの見事にステージ上で玉砕します(泣)。

一体、この不安感の正体は何なのでしょう?

 

あがり症を治した今だからわかることですが、この不安感の正体は「あがって失敗することで、私の価値が無くなるのではないか?」という恐怖感でした。

 

あがり症と無縁の人は「あがって失敗したって、私の価値は下がらない」という自信があります。

多少の失敗では揺らがないほど、自分を肯定しているということです。

 

ところが、あがり症で苦しんでいたときの私は、自分を好きになれずにいました。

そのため、いつも完璧であろうとしましたし、少しのミスでも必要以上に恐れる傾向がありました。

 

あがり症の原因を心理療法で癒したとき、段々とこの傾向は消えました。

「いつも完璧でなければいけない」という思い込みは消え、自分にも人にも優しくなれました。

 

「人は、ミスをするもの。そして、ミスをしたからと言って、それで人としての価値が下がる訳ではない」―考えたら、当たり前の話なのですが、当時の私は余裕がなく、こんな当たり前のことに気が付けなかったのです。

「あがり症を治す」-というと、とかく異常な緊張感や大量の発汗、手足がブルブル震えるなどの異常な身体症状を治すことばかりを考えがちです。

しかし、本当のところは「多少の失敗でも揺るがないほど、自分を好きになること」によってのみ、あがり症は完治するのです。

 

このことが分かれば「場数を踏んでもあがり症が一向に治らない理由」が、よく理解できますよね。

あがり症の不安から逃れるためには、「多少の失敗でも揺るがないほど、大好きな自分」を手に入れることです。

 

 

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