ヴァイオリニストTさんのフォーカル・ジストニア治療記録

ヴァイオリニストTさんのフォーカル・ジストニア治療記録
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ヴァイオリニストTさんのフォーカル・ジストニア克服事例

ヴァイオリニストのTさんがフォーカル・ジストニアを発症したのは、海外留学から帰国して数年後のことでした。

よくお話を伺うと、Tさんがフォーカル・ジストニアを発症した原因となったのは、「フォーカル・ジストニアのよくある原因ベスト3」のうち、「2.海外留学」と「3.演奏法を変えた」のようでした。

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Tさんは、海外留学中に師事した先生から演奏法を変えるようアドバイスされたそうです。

しかし、せっかく教わったものの、今一つ自分のものにならなかったようでした。

フォーカル・ジストニアを発症しない人は、そこで「自分には合わなかったんだな」と理解します。「元の演奏法で演奏すればいいや」と、気持ちを切り替えることでしょう。

ところが、Tさんは「素早く気持ちを切り替える」ことがどうしてもできなかったようでした。

そのことを留学から帰国して何十年も悔やみ続けたそうです。

そして、帰国してから数年経った後にフォーカル・ジストニアを発症しました。

 

Tさんからお話をお伺いした私は、Tさんがなぜそこまで演奏法をものにできなかったことに悔やみ続けたのかに着目しました。

この強いこだわりの背後にフォーカル・ジストニアの原因が隠されているような気がしたからです。

さらにお話をお伺いすると、Tさんは留学中にお母さまを亡くされるという大変お気の毒な経験をされていました。

残念ながら、最期に立ち会うことは叶わなかったそうです。

お話をお伺いしながら、私はTさんがフォーカル・ジストニアを発症したことの原因はこのことが関係している、と直感しました。

 

続けてご家族との関係をお伺いすると、「父親に対する葛藤」が見えてきました。

父親と先生

Tさんのお父様もヴァイオリニストだそうですが、お父様は息子の音楽について口出しするようなことはなかったそうです。しかし、自分と同じ職業に就いたことがよほど嬉しかったのか、あちこちで自慢するようになったそうです。

Tさん自身は、そのことについて「嬉しい」と思うと同時に「迷惑だな」と感じることも多かったそうです。お父様自身はプレッシャーをかけるつもりはなかったのでしょうが、言われる方にとってはプレッシャーになります。

 

また、Tさんはせっかく海外へ留学して演奏法を教わったのに、ものにできなかったことについて、師事した音大の先生に対して「申し訳ない」と感じていました。

父親と先生は、社会的にみると同じ立場になります。

Tさんがしきりに感じていた「先生に申し訳ない」という思いは、実は父親に対する「期待に応えられなくて申し訳ない」という思いに繋がっていました。

Tさん自身はそのことに気が付いていなかったようですが、潜在意識では「父親=先生」としっかり結びつけていたのです。

 

私は、Tさんの「(父親の)期待に応えられなくて申し訳ない」という焦りや落胆がフォーカル・ジストニアを発症させていたということをお話しました。

Tさんはなかなか信じることはできなかったようですが、それでも理解しようと努力してくださいました。

フォーカル・ジストニアの治療

そこで、私はTさんがフォーカル・ジストニアを発症するまでに至った様々な思いを心理療法で癒しました。父親に対する思い、母親に対する思い、先生への思い、演奏法をものにできなかった後悔など・・・

1時間という限られた時間のセッションでしたが、それでも目いっぱいの「思い」を癒しました。

 

Tさん自身は最後まで納得できないご様子でしたが、初回のセッションでものすごく納得される方もいれば、できない方もいます。実は、「納得できない」というのは、その人自身の抵抗の現れであるともいえます。

裏を返せば、それがピンポイントで「真実」である可能性が高いのです。お父様に対する葛藤を長年抱えていて、それを抑圧してきた場合、「あなたのフォーカル・ジストニアの原因はお父様に対する葛藤ですよ」と指摘されても、それをすぐに認めることはできないのです。

それだけ、お父様に対する葛藤が深いのと、気付かないように長年抑圧し続けてきたからです。

 

しかし、そのような人であっても、心理療法で心の中を探る過程で、自分が秘かに抑圧してきた「思い」に気付くようになります。「自分で気付く」というのはとても重要で、そこからが本格的な「癒し」のスタートになります。

その意味で言えば、Tさんはまだまだこれから「癒し」の道を自分で歩いていかなければいけません。しかし、自分で自分の内面を見つめ直す作業を繰り返しているうちに、徐々に肩の荷が下りてくるようになります。そして、ありのままの自分を好きになれるようになります。

Tさんが「演奏法をものにできなかったけれど、それでいいんだ」「先生の期待に応えられなかったけど、それでいいんだ」「お父さんの期待に応えられなかったけど、それでいいんだ」という自信が付いた時、フォーカル・ジストニアの症状はすっかり消えることでしょう。

 

「私もありのままの自分を好きになれるようになりたい!」という方はお気軽にお問い合わせくださいね。

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