フォーカル・ジストニアの症状がどんどん悪化する理由

2023年5月27日

フォーカル・ジストニアを発症したピアニスト

フォーカル・ジストニアが年々悪化する理由

フォーカル・ジストニアに悩む演奏家で、「フォーカル・ジストニアの症状が年々悪化する」というお悩みを持つ方がいます。

あがり症も同じですが、フォーカル・ジストニアも放置しておくと、どんどん悪化します。

当たり前ですが、「原因」を癒していないからです。

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場数を踏むほど悪化したあがり症

私は、自分がひどいあがり症だと分かったときは、素人考えで「場数を踏めば治るだろう」と思いました。

しかし、その結果は、良くなるどころか年々悪化するばかりでした。

ついには、ステージ上で気絶しそうなほどにあがり症が悪化しました。

さすがに6年目のある日、「場数を踏めば、いいってもんじゃないな」という真実に、ふと気が付きました。

そこで、自分で心理学やカウンセリング、セラピーの勉強を始めました。

ある日、「フォーカシング」という心理療法の研究を始めました。

その「フォーカシング」が、私にあがり症の原因を教えてくれました。

フォーカシング~「内なる声」に耳を傾ける

フォーカシングは、シカゴ大学教授ユージン・ジェンドリン(Eugene Gendlin)の心理療法の研究によって生み出されました。

フォーカシングとは、まだ言葉にならないような、からだで感じられる微妙な感覚に注意を向け、そこから言葉を出していく作業です。

出典:「フォーカシングについて」日本フォーカシング協会

具体的なやり方を説明します。

まず、目をつぶりリラックスした状態で、全身に感じる「身体感覚」に注意します。

たとえば、「胸がモヤモヤする」「お腹のところが固い感じがする」といった感覚です。

*身体感覚は「お腹が減った」「二日酔いで頭痛がする」などの生理的な症状のことを指すのではありません。

次に、その身体感覚の「形状」を観察したり、「名前」を付けたりします。

そうすると、不思議なことですが、その身体感覚自体が自分とは別個の人格を持っているように思えてきます。

そして、次にその名前を付けた身体感覚が何を訴えているのかを感じ取ろうとします。

場数を踏んでもあがり症が治らなかった理由

あがり症の原因は「視線恐怖症」「対人恐怖症」「失敗恐怖症」「あがり恐怖症」の4つです。

そして、これら4つの恐怖症の根っこには過去の事件で受けた「心の傷」があります。

この「心の傷」が、「過去にとてもイヤな思いをしたから、私を癒してほしい」と、あがり症の症状として訴えてくるのです。

たとえば、観客の視線に恐怖を感じる「視線恐怖症」ですが、これは私が小学1年生のとき、見ず知らずの上級生女子二人組から突然因縁をつけられた事件が原因でした。

私がフォーカシングで「あがり症の原因を教えて欲しい」と尋ねたところ、即座にその事件が思い浮かびました。

私が観客の視線に殺されそうな恐怖を感じているとき、私の脳に刻み込まれた「上級生の視線が怖い」という心の傷が甦っていたのです。

ですから、いくら場数を踏んでも、あがり症は治らなかったのです。

フォーカル・ジストニアの原因ー「いつも完璧な演奏をしなければならない」

「ジストニアのピアニスト」で、「上手く弾けなかったら、どうしよう?と思ってから右手が動かなくなった」と、ピアニストさんが告白されていました。

おそらく、このピアニストさんは完璧主義者で、「いつも完璧な演奏をしなければならない」「下手な演奏をする自分を許せない」と思っているのでしょう。

こういう人が「上手く演奏できなかったら、どうしよう?」という恐怖を抱くと、その恐怖がフォーカル・ジストニアの「発症スイッチ」になります。

*実は、私もあがり症発症のキッカケは「上手くギターを弾けなかったら、どうしよう?」と思ったことでした(^^;。

ですから、ピアニストさんから恐怖を取り除かない限り、彼の右手はねじれたままでしょう。

上手く演奏できないどころか、「ピアノを弾こうとすると、指がねじれる」自分を許せず、さらに自己否定をしてしまいます。

「ピアノを弾けない自分に価値はない」「このまま、演奏家生命が絶たれてしまったらどうしよう?」と自己否定が強まれば強まるほど、恐怖も比例して度合いが強まります。

フォーカル・ジストニアの症状が年々悪化する理由は、このようにして恐怖がどんどん増大してしまうからです。

また、フォーカル・ジストニアに悩む演奏家のうち、「発症した最初の頃は演奏するときだけだったけど、近頃は日常生活でも指がねじれるようになった」という方も多いです。

このように日常生活でも指がねじれるようになった理由は、恐怖が増すほどに脳が暴走してしまったからです。

視線恐怖症が治った理由

私が「観客の視線が怖い」と思うとき、脳は「また、小学1年生のときと同じような目に遭ったら大変だ。似たような状況を避けなければいけない」と思っています。

脳は、視線恐怖症を起こさせることで、ステージから私を遠ざけて、私を守っているつもりなのです。

私が心理療法で小学1年生のときに受けた「心の傷」を癒した後、視線恐怖症は治りました。

ついには、観客一人ずつと、しっかりアイコンタクトできるようになったのです。

もし、私が視線恐怖症を治そうとして、せっせと場数を踏んでいたら、どうなっていたでしょう?

きっと、私の脳は「あの時と同じ目に遭ったら大変だ。視線恐怖症を悪化させて、守らなきゃ」と考えて、視線恐怖症がさらに悪化していたでしょう。

外科手術は、対症療法に過ぎません。

「一刻も早く、この不快な症状から逃れたい」―そのお気持ちは、よく分かります。

私も「あがり症が治るなら、何でもする!」と思っていましたから。

でも、手術を受ける前に「もしかしたら、メンタルに原因があるのかな?」と考えてみてください。

「治療すればするほど、フォーカル・ジストニアが悪化します」

「この頃では、日常生活でも指がねじれるようになりました」

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