ベーシストKさんのフォーカル・ジストニア治療記録・1

2022年7月25日

ベーシストKさんのフォーカル・ジストニア治療記録・1

ベーシストのフォーカル・ジストニア治療
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スタジオ・ミュージシャンとしてご活躍されているベーシストのKさんは、今から11年前に左手、そして5年前に右手にフォーカル・ジストニアを発症しました。

最初、左手の親指にこわばりやつっぱりを感じ、右手はコンサートの本番中に、肩から手先にかけて電気が走るような感覚に襲われたそうです。

現在は、左手の親指が硬直し、ギターを持つ手に力のコントロールができなくなり、右手は「モヤ~」という感じがして、脳と指先の動きがリンクしていない感じがするようになりました。

この調子では複雑な指の動きを要求されるような仕事はできなくなり、現在では仕事を選ばざるを得なくなりました。

Kさんは、大物ミュージシャンの伝説的なコンサートで仕事を依頼される程のギターの腕前の持ち主です。

でも、Kさんの口から出る言葉は意外なものでした。

「私は、ギターの技術には自信があります。でも、音楽の才能には自信がありません」

ギタリストNさんのフォーカル・ジストニア治療記録にも書いてありますが、「音楽の才能に対する自信の無さ」もフォーカル・ジストニアの原因になることがあります。

Kさんに、なぜ「音楽の才能に対する自信」を失ってしまったのか、原因を尋ねました。

Kさんのフォーカル・ジストニアの原因

ベーシストのフォーカル・ジストニア治療
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Kさんは高校卒業後、音楽の専門学校へ進学し、本格的に音楽の勉強を始めました。

専門学校には、Kさんよりも早く音楽の勉強を始めた同級生もいます。

当然、音楽の勉強のスタート時点に違いがあれば、技術や知識にも差が出ます。

Kさんは、そんな同級生たちとの「違い」を実感し、「自分には、音楽の才能なんて無い」と、自信を失ってしまったのです。

でも、Kさんはそれから努力の甲斐があって、特待生として学費を免除されるほどにギターの技術や才能を磨きました。

つまり、Kさんの「自分には、音楽の才能なんて無い」は、100%ただの思い込みにしか過ぎなかったのです。

そこで、私はマジック・セラピーで、Kさんの「音楽の才能に対する自信の無さ」を癒しました。

Kさんは「完璧主義」の傾向もあるとのことでしたので、完璧主義もマジック・セラピーで修正しました。

また、Kさんには「このまま、一生フォーカル・ジストニアが治らないのではないか」という怖れがありました。

この怖れも、フォーカル・ジストニアの原因になることがあります。

さらにマジック・セラピーで「必ず、フォーカル・ジストニアは完治する」という自信も付けてもらいました。

この日は、他にフォーカル・ジストニアの原因が思い当たらなかったようなので、ひとまず経過を観察することにして、セッションは終了しました。