あがり症を治すことの難しさ

2019年8月18日

あがり症を治すことの難しさ

あがり症を治すことは、一筋縄ではいかない、大変な作業です。

なぜかというと、「絶対に譲れないこだわり」を手放さなければいけないからです。

あがり症の人がなぜあがるか、というと「完璧でない自分に価値は無い」という思い込みがあるからです。

したがって、たくさんの知らない人から一斉に見つめられる発表会やスピーチの場では、「少しのミスも許されない」と身構えてしまいます。

すると、プレッシャーが高まるあまりに、緊張し過ぎて、かえってあがります。

あがって失敗してしまうと、あがり症の人はドスーンと落ち込みます。

そして、「次こそは、絶対に失敗しないぞ!」と固く心に誓います。

ところが、こうして固く心に誓えば誓うほど、「絶対に、失敗できないぞ」と緊張することになります。

そして、この緊張がアダになって、次回も見事にあがって失敗します。

自力で開発した心理療法であがり症を完治するまで、私は何度もこの空しい行為を繰り返していました(泣)。

あがり症の原因ー「他人は私をバカにする」

私が開発した心理療法は、自己催眠で自分の潜在意識を探り、あがり症の原因が何なのか、それを明らかにし、原因が分かったら、自己暗示で正しい考えに修正するものです。

その心理療法で、なぜ、あがるのかを、自分の潜在意識に問いかけてみました。

すると、「たくさんの人が見ている前で失敗したら、きっとみんなは私をバカにするだろう」と、無意識のうちに恐れていることが分かりました。

関連記事:あがり症の原因②ー「対人恐怖症」

冷静に考えれば分かることですが、失敗したからと言って、他人をバカにする冷酷な人ばかりではありません。

大人であれば、「あ、失敗しちゃったな」と思うだけで、後はスルーすることでしょう。

みんな忙しいので、他人の失敗を一々気にかけているヒマは無いのです。

他人が私をバカにするのでなければ、別に失敗しても大丈夫、ということです。

失敗を恐れなければ、緊張することも無くなるので、あがらなくなります。

あがり症を治すー「こだわりを手放す」

・・・と、言われてみれば、「な~んだ、カンタンなことじゃない!」と思いますよね。

ところが、「私が失敗しても、他人は私を笑わない」という真実を頭に植え付けることは、とても大変なことです。

なぜなら、他人を信用できるようになるには、「対人恐怖症」を治さなければいけないからです。

「他人は私をバカにするに違いない。だから、絶対に失敗は許されない」という思い込み自体は、とてもネガティブなものです。

ところが、あがり症の人にとっては、このネガティブな考えが「自分を守る、安全弁」のようなものだからです。

あがり症でない人にとっては、「なんで、そんなネガティブな考えをしているの?」と不思議がられることでしょう。

でも、対人恐怖症の人にとっては、「他人は私を傷つけるに決まっている。だから、いつも完璧でいなければいけない」と思い込むことで、自分を守っているつもりなのです。

ちょっと分かり辛いかもしれませんが、私は対人恐怖症の人のこうした考えを、「バンジージャンプの命綱」と呼んでいます。

人がバンジージャンプができるのは、足首に命綱をつけているからです。

命綱無しで谷底へ飛び込むのは、自殺行為です。

対人恐怖症の人にとっては、「他人を信用しろ」というのは、「命綱無しでバンジージャンプをしろ」と言われているようなものです。

ところが、他人から見たら「谷底でもなんでもないのに。命綱なんて、いらなくない?」と不思議がります。

他人から見たら、対人恐怖症の人は「平地で足首に命綱をつけて、ムダに怖がっている人」という、残念な人に思われているのです。

つまり、対人恐怖症の人は「正常な現実認識ができていない」ということです。

こう考えると、対人恐怖症の人は自分のネガティブな考えが他人からどう映っているかを少しは理解できるかもしれません。

対人恐怖症でない人は、「他人は私の失敗をバカにするに決まっている」という思い込みはありません。

不必要な考えであれば、さっさと手放してラクになりましょう。

ラクな生き方を身に付けることで、あがり症は治ります。

「他人を信用できません・・・」

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